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Conan side


「え゛っ!!?沖矢昴の変装がバレた…!?」



悪びる様子もなくふーっと紫煙を吐き出す
目付きの悪いFBI捜査官に、
飲んでいたコーヒーが気管に入った。

げほげほと咳き込んでいると、特殊メイク用の
コンシーラーを指で弄りながら赤井さんが答える。



「ああ。流石安室君の妻というべきか…
観察力洞察力共に恐ろしく長けているようでね」


「"元"だけどね。つーか何であんな気温の高い日に
あんな厚手のハイネックなんか…」

「他は全て洗濯に出していてな。
首を隠せるものはそれしかなかった」




昨晩。阿笠博士が用事があり夜まで帰らないと
聞いた赤井さんは、念の為灰原の護衛のため
博士の家に訪れたというのだが。

いつもなら、怪訝な目をした灰原が
ドアを開けてくれるはずだった。いつもなら。



(なんで灰原が瑞沢先生と……)




俺と同じく灰原は彼女を気に入っていたが
まさか自分のテリトリーにまで
迎え入れる程だとは思わなかった。


既に寝ていた灰原の代わりに、
ドアを開けたのが先生だったという。



「それで…どうやって切り抜けたの?」

「問い詰められそうになった時に
阿笠博士が帰宅したんだ。流石に人の家で
俺を尋問するような真似はしなかったが…」




こう言われたよ、とバーボンを呷って
彼女が去り際に言い残した言葉を口にした。




『そのハイネック。この場でめくりたい衝動に
駆られますが…今はやめておきましょう』




「ーーーーーーーー…そ、それって」


「安室君が無関係の妻に俺の話をする可能性は低い。
……随分昔から彼の傍にいたようだ」



前にミュージシャンが首を吊った事件で
安室さんが言い放った言葉だ。

…確かに、一緒にいるとその人の
口調や性格がうつるというが。




「安室君が惹かれるのも分かったよ…
彼女はあまり普通ではない」

「……普通じゃない?」









「取り繕うように笑うわけでもなく
強がって涙を拭うわけでもなく……
茫然と嗚咽も出さず泣いていた」




「会いたい、と呟きながらな」




そう言った赤井さんの瞳は、他でもない
過去に自分のせいで死なせてしまった
"彼女"を思いユラユラと揺れていた。

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てな(プロフ) - まゆさん» わーありがとうございます!気づくの遅くなってすみません…!感動していただき嬉しみです(´∇`) (2019年3月10日 22時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 完結おめでとうございます^_^面白かったです^_^最後は、すごく感動しました!これからも、頑張って下さい^_^ (2019年3月7日 14時) (レス) id: 406c27ad01 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - かずささん» ありがとうございます!結構端折ってた部分もあったので過去エピソードとか結婚後のお話を時間があったら書いてみたい!!と思ってます(゜▽゜) (2019年2月1日 23時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - れいさん» ぴえありがとうございます〜!50話を超えてしまったので気が向いたら続編を作ってみたいなとか思っております… (2019年2月1日 23時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
かずさ(プロフ) - 私も結婚後の生活の話が読みたいです!できるならお願します! (2019年2月1日 22時) (レス) id: 189adfe0dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てな | 作成日時:2019年1月20日 0時

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