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第五話 ページ5





「………、」




「っ、ちょ、わぁ…!?…」






がくり、と電池の切れた人形のように
力が抜けた安室くんが覆い被さってきて、
裏返った声が出てしまった。

なんとか抱えていると、耳元で
すぅすぅと安らかな寝息が聞こえてきた。








「………この人、今何徹目?」




「……四だそうです…」








だはぁあ……と盛大なため息が自然と漏れた。

私に言えたことじゃないけど、
安室くんも相当重症だ。







┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




akai side




「無事遅刻したみたいだな、ただいま。
何故彼をココに連れてきたんだ?」




「別に。風見から頼まれただけよ」






ジョディ達と飲んでから自宅に戻ると、
安室くんを膝に乗せたAが
「おかえりなさい」と微笑んだ。

二年前なんて俺が話しかけるまで
反応すら寄越してくれなかったのだが、
今日は幾らか機嫌が良いらしい。






安室くんとは組織を
共に壊滅させた仲間として協定を結んだものの、
スコッチの事では随分悩んでいた。

まだ言うべきではないな、と思い
未だ打ち明けていない真実は
当分先になるであろう。







「……凄いクマだな、」





「四徹もしてれば、
流石に公安のゼロも倒れるわよ」







彼の目の下にあるクマをなぞって
呆れた様子で顔を覗き込むAが、
不意に声のトーンを少し下げた。







「………怒られたわ、ふざけるなって」





「………まあ、そうだろうな」









Aの偽装死以降、彼は暫く
何かに取り憑かれたように
仕事をこなし続けていたらしい。

恐らく気を紛らわせたかったのだろう。




俺だって、あの時咄嗟に腕の中に抱き寄せた
彼女のおびただしい量の血を見た時には、
間に合って良かったと涙腺が緩みそうになった。

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休校 - 半端じゃなく、面白かったです!笑 ありがとうございました! (2020年6月21日 17時) (レス) id: e4ab2b5df5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - こんな素晴らしい作品を作ってくださって感謝しかないです…!ストーリー構成が完璧で、赤井さんのシスコン具合も最高だし、なにより、主人公のキャラが好きです…!!!大好きです!ほんとにありがとうございます!! (2019年12月18日 20時) (レス) id: 7131cab108 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 四皇子さん» ありがたきお言葉…大感謝感激祭です… (2019年2月4日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - たんぽぽ珈琲さん» わー嬉しいです!!気に入っていた作品なのでありがたいです〜(*゚▽゚) (2019年2月4日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
四皇子 - 500評価から501評価にしてしまった、罪悪感、、 (2019年1月31日 16時) (レス) id: 3e09273f36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てな | 作成日時:2018年7月8日 14時

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