第十八話 ページ18
…
「………、は？」
聞いたことがない腑抜けた声。
『好きだ』という言葉がはっきりくっきりと
耳に届いたらしきAは、
今までに見たことが無い
心底驚愕したような顔で俺の顔を見上げた。
人間という生き物は
心の隅の隅に存在する気持ちを
うっかりと口にしてしまうものなのだろう、か。
＿＿＿不思議と言い訳も誤魔化すことも
しようとは思わなかった。
言葉に出したその気持ちは、
あまりにもストンと自身が彼女に宛てる気持ちに
すんなりと当てはまってしまったからである。
(…………、好きなんだな、きっと)
笑った顔、不機嫌そうな顔、
＿＿＿諦めたように笑い
泣きそうに顔を歪めたあの時の彼女の顔も
この二年間、頭の中から
一度たりとも抜け落ちたことはなかったのだ。
"好き"という気持ちの中に正解なんてない。
Aを守りたい、と
そう思ってしまった俺はきっと、
彼女を愛してしまったのだろう。
「…………、好き、だ。A」
もう一度、包帯を巻き終えたAの指に触れて
見開かれたグリーンの瞳を見据えた。
うっかりと飛び出た告白を撤回するつもりはない。
そう伝えるつもりで。
「…………、よく、分からない、……安室くん？」
「お前と、恋人同士になりたい」
「…………はァ！！？」
率直に具体的な願望を口に出してさしあげれば、
我に返ったようにずざざざ、と
後ずさりして俺から距離をとった。
まあ当たり前だろう、と
何故か冷静な頭でぼんやりと考えていた。
「…寝不足で頭飛んだんじゃないの、
それか出血多量で意識が不安定なのかしら？
い、家まで送ってあげるから早く寝……」
「A、」
俺がAに一歩近づけばAが一歩下がる。
そんな彼女を閉じ込めるように
両手を彼女の後ろにあった壁について、
逃げ場をなくしたAの顔を覗き込んだ。
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休校 - 半端じゃなく、面白かったです！笑 ありがとうございました！ (2020年6月21日 17時) (
レス) id: e4ab2b5df5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - こんな素晴らしい作品を作ってくださって感謝しかないです…！ストーリー構成が完璧で、赤井さんのシスコン具合も最高だし、なにより、主人公のキャラが好きです…！！！大好きです！ほんとにありがとうございます！！ (2019年12月18日 20時) (レス) id: 7131cab108 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 四皇子さん» ありがたきお言葉…大感謝感激祭です… (2019年2月4日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - たんぽぽ珈琲さん» わー嬉しいです！！気に入っていた作品なのでありがたいです〜(*ﾟ▽ﾟ) (2019年2月4日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
四皇子 - 500評価から５０１評価にしてしまった、罪悪感、、 (2019年1月31日 16時) (レス) id: 3e09273f36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てな
| 作成日時：2018年7月8日 14時
