第十六話 ページ16
…
furuya side
「分かりました。……では、
サンライズをお渡ししましょう」
怪盗キッドの元へ歩いていく。
シャツのポケットに入れていた
光り輝くサンライズを、
キッドの白い手袋の上に落とす………
＿＿＿わけがないのだ。
「ごめんなさい怪盗キッド様、
私薬の耐性はある程度ついているの」
「…………はぇ！？」
動揺をしたキッドの首に手を回し、
耳元でそう囁いた彼女は、
相変わらず二年前と同じ人を騙す
クオリティの高い妖艶な笑みを見せて
手錠を彼の手首にかけた。
キッドが間抜けた声を出すと同時に、
キッドとは因縁深い中森警部と呼ばれる男や
ほかの警備員達が騒ぎに駆けつけた。
「遅いわよ安室くん。私怖かったんだから〜」
「よく言う。キッドが目を逸らした瞬間に
僕がお前を見てなかったら
気付かず発砲してた所だったぞ」
数分前、大人しくお姫様抱っこをされているAが
ふと口角をごく僅かに上げたのだ。
目を開けずともキッドの仕草が分かるらしく、
僕の視線にも気付いているようだった。
「…………へえ〜すっかり騙されちゃったよ、僕」
「仲間はずれにしてごめんねボウヤ、
生憎囚われのお姫様は性にあわないの」
不機嫌そうなコナン君に猫撫で声で謝る彼女には
悪気の一欠片もまるで無い。
駆けつけてきた中森警部は手錠のつけられた
怪盗キッドに気付くと、「ぬはははぁ！！」と
高らかな笑い声をあげた。
「いよいよお前も潮時だな怪盗キッド！！
大人しくお縄に…っ！？」
＿＿＿刹那、手錠をぽろり、と外した怪盗キッドが
拳銃でガラス張りの窓に何発か銃弾を撃ち込んだ。
「…っな！？……」
「残念でしたね中森警部。……まだ
お縄につくわけにはいかないので」
これにはコナン君も驚いたのか、
戸惑いの声を上げた。
Aも同様一体なぜ、と
怪訝な顔をしてキッドを見ていた。
「………少々お体を触らせていただきました。
魅惑的なその腰に付けられた手錠を、
玩具の手錠とすり替えるために、ね」
Aの白い手をやんわりと撫でてから
手の甲にキスを落とした怪盗キッドに、
Aの表情がぴしり、と固まった。
勿論、羞恥心なんて
可愛いモノの所為なんかじゃない。
いつの間にか手に持っているサンライズを
キッドが自身の唇に当てた。
「またお会いしましょう。……
この美しい宝石のような輝きを放つ
貴方の瞳には、とても興味深い」
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休校 - 半端じゃなく、面白かったです！笑 ありがとうございました！ (2020年6月21日 17時) (
レス) id: e4ab2b5df5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - こんな素晴らしい作品を作ってくださって感謝しかないです…！ストーリー構成が完璧で、赤井さんのシスコン具合も最高だし、なにより、主人公のキャラが好きです…！！！大好きです！ほんとにありがとうございます！！ (2019年12月18日 20時) (レス) id: 7131cab108 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 四皇子さん» ありがたきお言葉…大感謝感激祭です… (2019年2月4日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - たんぽぽ珈琲さん» わー嬉しいです！！気に入っていた作品なのでありがたいです〜(*ﾟ▽ﾟ) (2019年2月4日 12時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
四皇子 - 500評価から５０１評価にしてしまった、罪悪感、、 (2019年1月31日 16時) (レス) id: 3e09273f36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てな
| 作成日時：2018年7月8日 14時
