【名探偵コナン】プリンスはマドンナが好き【降谷零】

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私は普通のヒロインとは違って、
人から向けられる好意に
『どうしたの？顔赤いよ？』なんて何も知らず
コテンと首を傾げられない。

いやぶりっこはするんですけど。

人からどう思われているか、
人一倍敏感な私は降谷零が自分に
好意を持っていることに薄々気付いていた。


けれど、私は誰よりも降谷零が嫌いだった。




(……景光くんを横取りした、貴方が)




これは勝手な私の独りよがりなのだ。

だからアイツに非は無いし、(絶対にとは言い難い)
傍から見れば私に非があると
口を揃えて言うはずだ。


けれど、彼を嫌う理由がまた1つ増えてしまった。





(………どうして、言ってくれなかったの？)





＿＿＿どうして、嘘をつくのだろうか。






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furuya side



「………気付いてるよな……、いやでも…」



おい降谷さんの様子がまた…！と周りで
部下が騒ぎ始めているが、そんなことは
耳にも入らない程に参っていた。

勿論誰よりも大切な彼女のことで。


景光は潜入捜査をしていた公安だったため、
遺族には報告されたものの
知人等には全く知らされなかった。

というより知らせる他の知人さえも
殉職してしまっていたのだが。



Aには本来、俺が知らせるべきだったのだ。




(……馬鹿だな。絶対に、知らせるべきだったのに)




ずるずると彼が殉職した事実を隠し
引きずったまま彼女と再会してしまった。

怖かったのだ。

彼が自害したとはいえ、
止められなかった自分にも非があったから。




「…………、…くそ…」




今夜には組織の大きな取引が待っている。
それを終えたら、潔く
彼女に全てを話すしかないだろう。




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