【名探偵コナン】プリンスはマドンナが好き【降谷零】

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…


「でも…なんだかんだであんなに私を
愛してくれるのはチュウ吉だけだと思うし…」

「うん…」

「アイツの笑った顔見てると
疲れ取れちゃうっていうか…」

「そうなんだ…」



帰っていい？


何が悲しくて私が盛大な惚気話を
わざわざ聞いてやらなければいけないのだ。

こっちはあと一年でアラサーの
仲間入りを果たす独身美女なんだぞオラ



「……そういえば、あんたはどうなのよ」


「え」


「とぼけたって無駄よ！
美和子から話は聞いてんだから」



警視庁のマドンナが私立探偵と付き合った…って
男共の間で噂になってるわよ、と
ニヤつく由美ちゃん。


彼女に「ぶっ殺すぞ」と微笑みたくなる衝動を
なんとか抑えて「わ、私は別に…！」と
頬を両手で隠し恥ずかしがるフリをする。

なんて可愛いんだよ私。



「あ、安室さんとは、そういうんじゃ…」


「あーら、安室さんなんて
一言も言ってないじゃない」



少なくとも意識してるってことね
とからかわれて、思わず
「誰があんな変態ゴリラと…！！」と
大声で叫んでしまった。



「………A？」


「あっ、いや…実はあの人…
ぜ、全裸でゴリラの真似をする趣味があって…」


「そ、そうなの！！？」



根も葉もないというか種もない。

「あんなイケメンが…？」と
若干引いた顔をした由美ちゃんに
内心で謝っておく。

降谷には申し訳ないが犠牲になってもらおう。



「昨日の夜なんか、
無理矢理家に押しかけられて…」


「ええっ！？まさかあんた……」




由美ちゃんの中の安室透像がどんどん
崩れていくであろう…そんな想像をしては
緩む口角を必死に下げる。


安室透が全裸でゴリラの真似をする趣味を持ち

挙句の果てには清楚で可憐な警視庁のマドンナこと
三上Aの家に押しかけたと
由美ちゃんが噂を流してくれれば、

彼の社会復帰は不可能になるであろう。



今朝にされたモーニングゴリラコールへの
ちょっとした仕返しである。

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