【名探偵コナン】プリンスはマドンナが好き【降谷零】

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…



『……女か？』


『………いや？…まだ迎えに行けない』



てっきり自分と同じく
恋人の一人でもいるかと思い
そう言葉を投げかけたが、

顎に生やした髭を撫でながら
スコッチは苦笑した。迎えに行けない、と。



『あいつ……雷苦手なんだよ。
だからいつも俺が一緒に帰って…
心配すんなって頭撫でてやってた』


『………だったら、そうしてやればいい』


『無理だよ。……それは俺の役目じゃねぇから』



自分よりずっと強いアイツを守れるのは、
俺じゃないんだ……そう困ったように笑っていた。




＿＿＿その日は、スコッチが死ぬ前日だった。




......................................................




『スコッチ！！、スコッチ…！！』



拳銃を握りしめたまま心臓を撃ち抜いた
彼の胸元に必死に耳を当てる
バーボンを見下ろしていた。

クソ…！と嘆くバーボンは持っていた
スマートフォンをぎゅう、と握りしめ俺を睨む。


垣間見えた画面には
スコッチからバーボンに送ったと思われる
メールの文章の一部分が書かれていた。



"Aをよろしくな"………と。





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you side



………いや、何やらかしちまってんだ自分。



「完っっっっ全にタイミング逃した…！！！」



どうしよう本当にどうしよう。

推しである景光くんの話を聞かされた挙句
流れで降谷に本来言わなくてもいい事を
言ってしまった挙句の果てには、

完全にこの編みに編み込んだ
真っ白なマフラーを渡すタイミングを無くした。

いやタイミングを自ら
海にぶん投げたようなものだけれど。



「あんな…っあんな都合よく
降谷の所へ行かなくちゃいけない事件が
転がり込んできたというのに…！！

やっぱり降谷の顔面にマフラー
ぶん投げておくべきだった…！！！」



うぎゃぁぁと一人愛車内でもがき、
鞄に潜ませておいた自分のマフラーを取り出した。

相変わらず触り心地も着心地もよく
それを首に巻けばぬくぬくと首元が温まり始め、
少し冷静になれた気がする。希ガス。

だがしかし、
志保ちゃんからのメール通知は止まらない。




『まだ渡せてないわけ？
あと一時間で今日が終わるわよ』





「おうまいごっと…………、…」




ふざけんな降谷なぜ明日生まれてこなかった死ね。





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