【名探偵コナン】マドンナはプリンスが嫌い【降谷零】

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furuya side


「頼太くん！初音ちゃん！結婚おめでとう〜！」


乾杯の合図と共に
周りからは祝福の声が上がっていた。


当然俺も微笑みながら
「おめでとうございます」なんて言ってはいるが、

視線は依然として新郎新婦…………の正面で
会話をする女に向けられていた。




(…………あー………しくじった)




予め初音さんに
招待者リストを見せてもらうべきだった。

まさかこんな所で偶然
知り合いがいるとは思ってもみなかったのだ。


＿＿＿それも自身の初恋の女の子に、なんて。



久しぶりだね初音ちゃん、と初音さんに
相変わらず貼り付けた笑顔を向けて
ブラウンの瞳を瞬かせた。

新郎の男がAを見て
頬を緩ませているのを確認していれば、
持っていたグラスに思わずヒビが入ってしまった。



(……あの男を選んだ初音さんが不思議でならないな)




まぁ、2人は双子なのだから当たり前か。と

事前に準備しておいたケーキを
新郎の膝らへんにぶちまけ

「申し訳ありません！」と
オドオドしながらも謝った。





(…彼女はまだ俺に気付いていない。
きっと彼女の性格上、否が応でも
俺と関わることを拒否するだろう。…少なくとも

事件が終わるまではこの会場にいなくてはならない)


なら事件が終わり次第
事情を話すしかないだろうな。




余談だが、ケーキを落とそうと彼等に近付いた際。


「うそうそ、初音が一番だっての」

「……もぅ！」



「あ゛？」



と何やらハッピーなオーラを
醸し出す2人の狭間から、
聞き覚えのあるどす黒い声色が聞こえてきた。

当の本人は一瞬顔を歪めるも
初音さんの「すっっごいモテたのよ？」という
紹介に即座に「そんな事ないよ〜……」と
苦笑してみせた。


あの頃からやってる事は
ほぼ変わっていないらしい。

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