ハイスペックはお断り【名探偵コナン】

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「雨宮Aさんですね」


『なに？』


「降谷さんです」


そういってスマホを渡された


『もしもし…』


「A…」


先程まで怒り狂っていたのが嘘みたいに彼の声は私を落ち着かせた


『伊達が…死んだ』


「ああ…」


『私また１人になったの』


「ああ…そうだな」


『…会いたい』


「すまない…」


間髪を入れず言い放つ零。会いたくないのではなく会えないのは分かっている


彼も私が立場を理解して会いたいと言ったのも分かっているはずだ


『景光は？…一緒にいるの？』


「雨宮さんそれは！」


「景光は死んだ」


ああ。神様。あなたが本当にいるならば、地獄の底まで追い詰めてあげるわ





『…いつ。』


「もう３年前だ」


『っ！！！』


持っているスマホがミシミシと音を立てた


『どうして…どうして何も言ってくれなかったの！あなた景光が死んで１人でっ！』



父が死んで母が居なくなり泣き叫んでいた私を慰めてくれたのは零だ


なのに私は。ふざけるな



『どうしてあなたが１人辛いときに一緒にいさせてくれないの！私は！もう守られるだけの女じゃないのよ！』



「…A。俺ももうこれ以上大切な人を失いたくないんだ」


『…』


「俺はお前を失いたくないんだ。分かってくれ」


『ふざけんじゃないわよ！必ず見つけてやるから！首洗って待ってなさい！！！』


渡されたスマホを返し大股で部屋を出た





「降谷さん」


「すまない風見。嫌なことを頼んだな」


「いえ。お会いしなくてよかったのですか」


「ああ」


今まで俺がどんな思いでお前を遠ざけたか。俺がどれだけ会いたいと願ったか。でもそれ以上にAには幸せになってほしいんだ

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