THE FIRST SLAM DUNK 宮城編�� ページ40
「何回言えばわかるんだ！！宮城ソータは５年前に死んだ！！俺は…、俺は宮城リョータだ！！ソータじゃねぇ！！」
言い終わったあと、少し息が上がっているリョータはハッとしてAを見た。Aの瞳からは一筋の涙が溢れ落ちていた。
しまった、と思ったがもう手遅れだ。
『っ…リョータなんか知らない！！』
「おい、A…！！」
Aは泣きながらリョータの手を振り払って遠くの方へ走っていってしまった。俺はそれを止めることすら出来なかった。引き留めようとした手は拒まれた。俺はだらりとその腕を下げる。
リョータは力が抜けたように壁に寄りかかり、頭を抱えた。
「…もう、どうすればいいか分かんねぇよ…俺だって…」
Aだって、俺の母親だって、同級生だって、先生達大人もみんなそうだった。みんなソータを求めている。
俺はソーちゃんのようにはなれない。
Aにいった言葉が自分の脳内に思い浮かんできた。それを思い出すリョータは自嘲気味に笑う。
…俺だって、過去を引きずって藻掻きながら生きている人間なのだから。
涙が頬をつたっていくのがわかる。だからといってそれをAは拭おうとはしなかった。もうそんなことはどうでもいいんだ。
リョータと言い争いになりその場から逃げ出したAは全力で駆け抜けている途中に曲がり角で誰かとぶつかってしまった。Aは思わず尻餅をつく。
「こんな所に居たのか…暁、監督が呼んで…」
ぶつかった相手は牧だった。それを知った途端Aはサッと俯いて手で顔を隠す。牧はその行動を見逃さなかった。
手を掴んで無理矢理Aの顔を見る。
「…何故泣いているんだ？」
『っ…』
「なにかよっぽどのことがないとお前は泣かないだろ。ゆっくりでもいい…俺に理由を聞かせてほしい。」
そう、Aの涙を拭いながら牧は落ち着かせるように言った。
知られたくないと前に私は牧を拒んだ。あのことは誰にも話すことなく生きていくつもりだった。なのに
『牧…助けてよ…わたしは、私はどうしたらいいの…？』
限界だったのだろうか勝手に自分の口はそんな事を言った。
何でもいい、誰だっていい。自分に寄り添ってくれるなら。
誰か私を救ってほしい。
いつもどこが無関心で孤高を保っているようなAが、初めて他人に助けを求めた。牧はそれを感じ取り、Aの手をとった。
「…あぁ。聞かせてくれ、暁のこと。」
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三國(プロフ) - ぼくらいさん» コメントありがとうございます！！楽しんで貰えてるなら幸いです✨これからも更新頑張りますね💪 (2023年1月10日 6時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
ぼくらい - いつも楽しく読ませてもらっています❤️🔥 (2023年1月9日 20時) (レス) id: 9239ef16aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三國 | 作成日時：2022年12月31日 9時
