流川楓と彼女�� ページ27
流川楓
Aが湘北高校に入学して間もないうちに、その名前は校内で広く知れ渡っていた。
コレといった理由は特に知らないが、恐らく顔がいいだとか、運動できるとかそういった類だろうとAは思っていた。
多くの女子生徒はその流川楓がバスケをする姿を見るためだけに毎日毎日、まるでアイドルを追いかけるファンのように放課後の体育館に通っていたが、Aは流川楓に興味は湧かなかった。
流川楓のような人とは自分とは住む世界が違うんだ。そう思いながら毎日を過ごしていた。人を眺めて何が楽しいんだろう。
でも、そんなある日Aが放課後に図書室で１人残って自習をしていたとき、偶然にもそこに流川がやって来たのだ。
流川くんだ、と心のなかでは反応したもののそれ以上は特になんとも思わずAは自分の勉強に集中した。
「おい」と、上から声が降ってきた。
なんだと思って顔を上げればそこには流川が立っていて、自分を見ていた。初めて聞いた流川楓の声は、予想以上に声が高く、そして綺麗な声をしていた。
『…どうかしたんですか』
Aは淡々と流川に対して返事を返す。
流川はその言葉を聞き、少し間を開けて言葉を返した。
「…Allegro…っていう雑誌、何処にあるか知らねぇか。」
『雑誌かぁ…多分それならこっちの方。』
Aはそう言って席を立ち、雑誌のコーナーに入って流川の探している雑誌を見つける。その雑誌の表紙にはおしゃれなモデルの人が載っていて、パラパラと中身をみれば洋楽の雑誌だった。
…なんか意外だ、とAは感じた。
『はい。これ』
「…どーも」
雑誌を手渡してAは席に戻り、さっきの続きに取り組もうとした。
『えっと、流川くん…？？』
用は済んだはずなのだからすぐに立ち去るだろうと思っていた流川は帰るどころかこちらの方をジーッと見ていた。
いくら流川に興味はないといえど、流石にもこんなイケメンに見つめられるとかなり恥ずかしくなる。
「…綺麗だなって。」
『…何が？』
「アンタ」
『え』と私が素っ頓狂な声を上げれば流川はハッとして自分の口に手を当てた。まるで思わず口から出てしまったと言わんばかりの表情をする。
かわいい。
私は無意識にそう思ってしまった。
「流川くんって、変な人だね。」
私が微笑みながら言うと、流川くんもふっと笑った。
「…多分それは…アンタも一緒」
笑った…。
その綺麗な微笑みに、きっと私は惚れてしまったんだ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 196人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
三國(プロフ) - ぼくらいさん» コメントありがとうございます！！楽しんで貰えてるなら幸いです✨これからも更新頑張りますね💪 (2023年1月10日 6時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
ぼくらい - いつも楽しく読ませてもらっています❤️🔥 (2023年1月9日 20時) (レス) id: 9239ef16aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：三國 | 作成日時：2022年12月31日 9時
