仙道彰とマネージャー�� ページ19
いつものようにのんびりと呼ぶのではなく、今の仙道の声は少し静かで威圧感のある言い方だった。
仙道は私を殴ろうとしていた女子を横目でチラリと見る。
その子はその視線にビクッと肩を震わせて言葉を失った。
「俺がAに対して迷惑している…そうかそうか…」
１人呟くように仙道は笑いながら言った。
笑っていたが目が笑っていなかった。
そのままゆっくり女子達に近づき仙道ははっきりとこう告げた。
「俺、自分勝手で仲間を傷つけるようなやつは好きじゃないんだよなぁ…」
「ひっ…ご、ごめ」
「加えて、好きな子なら尚更だな。わかったんなら帰ってくれ。」
仙道の圧に負けた女子達はにげるようにしてその場から去って行ってしまった。
残されたのは、砂で少し汚れている私と、仙道のみ。
「大丈夫か？」と仙道が私に手を差し伸べた。私が手を掴むと仙道はその手を引っ張ってくれた。
私は砂を払いながら仙道に言った。
『仙道…好きな子とかいるんだね。』
「んー、まぁな。あれ、もしかして気になったりすんのか？」
『別に』
嘘だ。めちゃくちゃ気になる。
本音とは裏腹なことを仙道に向かって吐き捨てるように言った。仙道は困ったような顔をして笑う。
「Aって実は馬鹿だったりするのか」
『はぁ？』
私がそう言って少し顔を歪ませると、仙道はいきなり私の腕を掴んできた。
グッと掴んで自分の体に引き寄せては私の腰に手を回し、ガッチリと仙道の体に密着している状態にされる。
驚く私に仙道は妖しく笑い、私の手を取り、その手の甲に口づけをした。
『え、ちょっと』
私が慌てるのも聞かず、仙道は顔を近づけてくる。
私の耳に仙道の息がかかるのがわかった。そしてそのままキスをしてくる。仙道が耳元で囁いた。
「なんで毎日のように俺が部活に行かねぇか、知ってるか？」
『知らないし…あと、近いってば！！！』
顔を真っ赤にして叫ぶ私に仙道はニッコリとして答えた。
「Aに構ってもらうためだ。」
『は』
「さっきの答えーーー、わかったよな？」
そう言って仙道はパッと手と体を放す。呆然とするAを楽しむような目で見た。
Aはさっきの仙道の言葉を脳内で何回も繰り返し再生した。理解するに連れて段々とAの顔が熟れる林檎のように真っ赤になっていく。
「A、顔が赤いぞ。」
『誰のせいだとっ…！！この確信犯め…！！』
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三國(プロフ) - ぼくらいさん» コメントありがとうございます！！楽しんで貰えてるなら幸いです✨これからも更新頑張りますね💪 (2023年1月10日 6時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
ぼくらい - いつも楽しく読ませてもらっています❤️🔥 (2023年1月9日 20時) (レス) id: 9239ef16aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三國 | 作成日時：2022年12月31日 9時
