神宗一郎と新人マネージャー�� ページ11
「オラオラオラァ！！手前等何やってんだこの野郎ー！！」
突如現れた清田の拳が男の顔面にめり込んだ。男は鼻血を出しながら倒れていく。
「神、橘…！！大丈夫か！？」
清田のあとに続くかのように牧も慌てたようにしてやって来た。
神はハッと我に返る。今の体制は少し不味いような気がすると瞬時に判断した神はパッとAから離れた。
「大丈夫です…信長も、ありがとう。」
「こんぐらいなんてことないですよ、神さん。全てはこの俺、清田信長にお任せください！！」
カッカッカッカと男３人を殴り倒した信長が笑う。その後ろで「コイツらどうするんだ？」と牧が呆れたような顔をして立っていた。
『神さん…』
「A…？？」
不意に、誰かが自分の制服の裾を掴んだのがわかった。振り返ればそこにはAが俯いて立っている。
「大丈夫だった？怪我はない？」
『…はい。大丈夫です。』
いつもと違う反応を見せられた神は少し眉を寄せた。何かおかしい。普通なら元気よく答えるはずのAの声が沈んでいた。
『…神さんは、私のこと…何とも思ってないですもんね。』
「…A？」
心配げに神が名前を呼ぶが、Aはそれに反応しなかった。ただ、顔を上げて何故か悲しそうに笑っている。
『神さんも、信長も、牧さんも…助けてくださりありがとうございました。』
そうAは早々と３人に対して告げると走って帰ってしまった。
「…大丈夫かな…」
神はその背中を心配そうに見つめていた。
走りながらAは馬鹿じゃないの、と心のなかで呟く。あの時、神は「僕の彼女です」と言った。確かに、アレはその場を切り抜ける嘘だということはわかっていた。わかっていたのに、
『…なんでこんなにも悲しいのかな…？？』
少しだけ、その先の展開に期待してしまっていた時分が、どこかにいた。もしかしたら神さんもそう思ってくれてるんじゃないのかと、でもやっぱりそんなことはなかった。
清田や牧があの場にやってきたとき、神は何も躊躇うことなく、寧ろ気まずそうにAから離れたのだ。それはちょっとした脈すらも感じられない行動だった。
なんで浮かれてたんだろう、私。
溢れ出る涙も気にせずにただそれを忘れようとするかのようにAは家まで駆け抜けていった。
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三國(プロフ) - ぼくらいさん» コメントありがとうございます！！楽しんで貰えてるなら幸いです✨これからも更新頑張りますね💪 (2023年1月10日 6時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
ぼくらい - いつも楽しく読ませてもらっています❤️🔥 (2023年1月9日 20時) (レス) id: 9239ef16aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三國 | 作成日時：2022年12月31日 9時
