↑の続き ページ40
.
スコッチさんは、降谷さんたちが愛華にお礼を述べる中、唯一私のそばに来てくれた人だった。
「……愛華の所に、行かなくていいんですか?」
「泣きそうな顔してる女の子を放っておけるほど、男は廃ってないよ」
そう言って、彼は黙って私の隣にいてくれた。彼の優しさは、私の涙を溢れさせるには十分だった。
「落ち着いたかい?」
しばらくして、優しい声音で話しかけられた。
「もう大丈夫です。ありがとうございました」
「お礼ならいいよ。俺もゼロ達も、君たちに救われたんだしね」
「私は、何もしてないですよ。むしろそれを邪魔していました。私は貴方たちのことを、」
____遠回しに殺そうとしていたんですから。
震える声でそう続ける私に、スコッチさんは少し考え、こう言った。
「……少し、話を聞かせてもらえないか?」
私は、全てを彼に話した。
トリップしたこと、救われた彼等が本来死ぬはずだったこと、それから諸々。
でも、今思えば私たちがこの世界にいる時点で、ここは原作の【名探偵コナン】の世界ではなくなっていたのだ。
私も結局、愛華と同じだった。
本当は私も、彼等を救いたかったのに。この先の未来がわからなくなることに、怯えていたのだ。
今だって、スコッチさんが隣にいることに、こんなにも安心しているのに。
「____スコッチさんは、どうしてあのとき、私のそばにいてくれたんですか?」
「ただ、泣きそうな顔してる女の子を放っておけなかっただけだったんだ。でも……」
私の頰に手を添え、視線を合わせる。
「あのときAに話しかけて、本当に良かったと思ってるよ。そのおかげで俺は、これ以上ないくらいの幸せを味わってるんだから」
ぎゅ、とそのたくましい体に包まれる。彼の温もりが心地よくて、ずっとこのままでいたいと思ってしまう。
「A、愛してるよ。もし今も、君が原作通りにしたいと考えてるなら……俺は、君に殺されてもいい」
彼の言葉を嘘だとは言えなかった。
その目が、本気だったから。
「あの時たしかに俺は命を救われたけど、そのツケがいつ回ってくるかわからないからね。知らない誰かに殺されるよりずっとマシだ。でも、今はまだこうして、Aのそばにいたい」
「私も、そばにいたいです。スコッチさんのこと、あ、愛してる、から……」
スコッチさんの胸に顔をうずめてそう言えば、強く抱きしめられる。
かわいい、という彼の声に、私の頰はまた熱くなった。
.
自分の子供が未来から来たら。コナン視点【名探偵コナン コナン】____リアビーバ-様リクエスト→←推しだけが愛してくれたら。【名探偵コナン スコッチ】____ムムチー様リクエスト
28人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シオン(プロフ) - ムムチーさん» そう言って頂けて嬉しいです!こちらこそ、素敵なリクエストをありがとうございました! (2020年4月9日 11時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
ムムチー(プロフ) - ありがとうございます!!宇髄さんが派手派手にかっこよくてキュンキュンでした!!本当にありがとうございました!!!! (2020年4月8日 19時) (レス) id: c20b5adaac (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - ムムチーさん» リクエストしてくださった小説ができました!何ヶ月もお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした! (2020年4月8日 18時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - リアビーバ-さん» こちらこそ、素敵なリクエストをありがとうございました!またの機会があれば是非よろしくお願いします! (2020年2月16日 11時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
リアビーバ- - いえ、全然大丈夫ですよ!!!ありがとうございました!また機会があったらリクエストしますね♪ (2020年2月15日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シオン | 作成日時:2019年4月25日 23時