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「また何かあれば、いつでも相談してください」
「はい。本当にありがとうございました」
お礼を言えば、風見さんは少し頬を染めて嬉しそうに微笑む。
「では、私はこれで。くれぐれも戸締りには注意してくださいね」
風見さんは踵を返し、颯爽と帰っていった。可愛いとかっこいいの両方を兼ね備えているなんて、さぞモテるんだろうなあ。そう思いながらぱたり、と扉を閉める。
すると、スマホの着信音が鳴る。画面を見ると、彼からの電話だった。珍しいな、この時間帯に掛けてくるなんて。今は仕事中のはずなのに。
通話ボタンを押す。
「もしもし」
「もしもしA? 俺だけど、今日そっちに寄ってもいいか?」
「え、別にいいけど……なんで急に?」
「ほら、最近ストーカーされてるって言ってただろ? 心配だし、それに最近会えてないなと思って」
不覚にも胸がきゅんと鳴った。ちゃんと私のこと、心配してくれてたんだ。たったそれだけの言葉で、胸がぽかぽかと暖かくなる。
「あ、ありがと……でも、いいの?」
「ああ。今日は定時で帰れそうだし」
「そっか。あ、そうだ。せっかくだし、寄るついでにご飯食べてく?」
「いいのか? じゃあ頼む」
「うん。任せて!」
密かに喜んでいる私の耳元で、電話越しに「わかった。すぐ行く」という声が聞こえた。誰かに呼ばれたのだろうか。
「悪い! 俺もう行かなきゃいけないから、電話切るな!」
よほど急いでいたのか、私の返事を聞くことなく彼は電話を切った。まったくもう、とため息を漏らし、夕食の支度に取り掛かる。
……久しぶりに好きな料理、作ってあげようかな。無意識に鼻歌を歌っていた自分に気づいて、一人勝手に恥ずかしくなった。
がちゃり、と扉が開く音がする。
リビングから玄関を覗くと、彼がいた。おかえりなさい、と声を掛け、疲れた顔をしている彼から鞄を預かる。
「ただいま。なんか久しぶりだな、こういうの」
「そうだね」
お互いに笑い合う。そして、料理を並べたテーブルを挟んで座った。
「Aの料理も久しぶりだな」
「ふふ、頑張って作ったんだよ!」
「じゃあ、味わって食べないとな。いただきます」
「私も食べよー。いただきます」
そう言って、箸を手にした瞬間。鍵を閉めたはずの玄関から、がちゃりと鍵の回る音がした。
扉が勢いよく開く音がして、ばたばたと慌ただしい足音がこちらに近づいてくる。
現れた人物を見た瞬間、私は自分の顔から血の気が引いていくのを感じた。
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シオン(プロフ) - ムムチーさん» そう言って頂けて嬉しいです!こちらこそ、素敵なリクエストをありがとうございました! (2020年4月9日 11時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
ムムチー(プロフ) - ありがとうございます!!宇髄さんが派手派手にかっこよくてキュンキュンでした!!本当にありがとうございました!!!! (2020年4月8日 19時) (レス) id: c20b5adaac (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - ムムチーさん» リクエストしてくださった小説ができました!何ヶ月もお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした! (2020年4月8日 18時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - リアビーバ-さん» こちらこそ、素敵なリクエストをありがとうございました!またの機会があれば是非よろしくお願いします! (2020年2月16日 11時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
リアビーバ- - いえ、全然大丈夫ですよ!!!ありがとうございました!また機会があったらリクエストしますね♪ (2020年2月15日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シオン | 作成日時:2019年4月25日 23時