もしもの話。【短編集】

↑の続き ページ21

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ドア越しに聞こえてきたのは、ペロスペロー様の声だった。ガチャリ、とドアを開ける。

「はい。ペロスペロー様、何かご用でしょうか？」
「堅苦しい喋り方はよしてくれ、ペロリン♪ それより、午後から予定は空いているか？」
「はい、空いてますけど……」
「それはよかった。Aはここに来てからあまり部屋の外に出ていないだろう？ 折角の機会だから、一緒にお菓子でも作ろうと思ってな、ペロリン♪」
「お菓子、ですか？」

急な話に戸惑ったが、まさかお菓子作りに誘われるだなんて。さっきホーミーズにおかしなことを言われたせいか、妙に緊張してしまう。

「あの、でも、いいんですか……？」
「もちろんだ、ペロリン♪ カタクリも楽しみにしていたからな。昼食を済ませたら、キッチンに来てくれ」
「はい」

なんか今さらっと流したけど、今カタクリ様って言ってたな。
ぱたり、とドアを閉める。と、同時に集まってくるホーミーズ。

「ほらね、言った通りでしょ！ やっぱりペロスペロー様達は、Aに恋してるのよ！」
「素敵！ こうなったら、Aに似合う可愛いエプロンを選ばなきゃ！」
「え、や、ちょっ」

抵抗も虚しく、私は彼女達の着せ替え人形となった。
そして、昼食を食べ終え、言われた通りキッチンに足を運ぶ。どうしよう、今更緊張してきた。

「……お、お待たせしました」

そう言ってドアをキッチンを覗くと、お二人はすでに準備を済ませていた。

「気にするな。……そのエプロン、Aによく似合っている」
「え？」

カタクリ様の優しい眼差しと、その言葉に身体が熱を帯びていく。

「あ、ありがとうございます……」
「本当ならもっとじっくり見ていたいところだが、あまり時間がないんだ。Aには悪いが、これから毎日俺たちとお菓子作りをすることになる」
「……毎日？」

当然のように言うカタクリ様に思わず耳を疑う。何故そんな話に……？ 疑問符を浮かべる私にペロスペロー様が優しく教えてくれた。

「Aと結婚を考えている、とママに伝えたら、ママが満足するお菓子を作れるようになることを条件にされたんだ、ペロリン♪」
「俺たちはA以外の結婚相手は考えられない。だから、ママが満足するお菓子を作れるようになってくれ。サポートはできる限りするつもりだ」

外堀を埋められていることに気付いたときには、もうすでに逃げられなくなっていた。
それでも嬉しいと思ってしまったのだから、私もかなり重症のようだ。



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『此如何』____マリコ様リクエスト(ロビン逆トリからのトリップルフィオチで、夢主がミルキィーローズに変身して女神様に青い薔薇を授けられ、ジャヤに飛ばされるお話)(中編になりそうなリクだったので都合上割愛してる部分が多々あると思います)→←推しだけが愛してくれたら。【ワンピース カタクリ・ペロスペロー】____ムムチー様リクエスト

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