検索窓
今日:17 hit、昨日:3 hit、合計:134,087 hit

3話 初対面 ページ5



早い話が、私は方向音痴である。

そして私の鎹鴉も、伝令や道案内などの役目を果たすために頑張ってはいるようなのだが、産まれた時から他の鎹鴉とは違い方向音痴だったらしい。

パートナーを見つけてもあまりのポンコツさにすぐに手放されてしまったり、導く先を間違えて階級に見合わない強い鬼に遭遇してパートナーが殺されてしまったりと不祥事を次々に起こしてきた鎹鴉だったので、前線には立たせてもらえず鎹鴉としての役目をクビになって悲しんでいたのだそう。

だからはじめて産屋敷殿の御屋敷に行った時、産屋敷殿の傍らで哀愁を漂わせてる鴉がいてびっくりした。

さらにその鴉が私を視界に入れた瞬間「アナタノ鎹鴉ニシテクダサイマセンカ!!」と泣きながら懇願してくるのだからさらにびっくりした。


……と、そんな経緯があって、今のところ私の鎹鴉は特訓中。案内はだいぶ正確になってきたけど、まだ目的地まで百発百中とは行かないらしく
この前は「ゴメンネ……」と頭をもたげていた。

私としては、ほかの鴉より幾許も小さい体で必死に方向音痴を克服しようとしている姿は健気で可愛いと思うし、万が一にも道を間違えて強い鬼と遭遇してしまっても特に問題は無かった。……のだが


『…………』

「……何?」


足を止めず、目も合わせずに問われる。何、と聞かれてしまうと困るのだ。私だってわからない、産屋敷殿の命令とはいえ、未熟な私達のせいで初対面の、しかも柱ともあろうお方に道案内をさせてしまっていることを謝罪するべきなのだろうけど……


「……君」


やはり足は止めず、目も合わせてはくれない、それでも彼は淀みなく、ゆっくりと口を開いた


「よくそんな無能な鎹鴉を連れて歩けるね」




…………



………………………………




…何だこの男は………………………………………

4話 こんにちは→←2話 朝霞


おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (151 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
305人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ほしいも(*^^*)(プロフ) - 設定めっちゃ自分の好みでした!(笑)更新少しずつでいいので頑張ってください〜!😁 (12月13日 16時) (レス) @page40 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 空桜さん» そう言っていただけて嬉しいです!それに、私以外にも頑張っている方がいらっしゃるのだと思うと少し肩の力が抜ける気がします(´˘`*) 試験頑張ってください。応援しています (2019年9月23日 1時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 待ってますね!私も就職試験あります。お互い頑張りましょう! (2019年9月23日 1時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 何卒さん» ありがとうございます〜〜!気長にお待ちください(´˘`*) (2019年9月22日 21時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
何卒 - めっちゃ気になるところで終わってしまってウズウズしてます。笑 続き楽しみにしています! (2019年9月21日 1時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:向汰 | 作成日時:2019年8月25日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。