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『流石スイカ。良い目ぇしとんな!』
スイカ「えへへ、褒められたんだよ〜」
スイカは褒められ、仮面の上から頬を押さえ、くねくねと体を動かしながら嬉しさを表現する。
その様子がめっぽう可愛らしい。
Aはちんぷんかんぷんな皆の為、今の動きをどうやったのかを説明した。
まず持ち方があまり良くないらしい。
私は右手を上に、左手を下に。
鍔に近付けた状態で両手とも揃えて刀を握っていた。
が、それじゃダメらしい。
金狼「ふむ。ならどう持つのが正解なのだ?」
『手は開く。』
こういう風にな、とAは木刀を握って手本を見せる。
左手を鍔の方に持ち、人差し指は鍔に触れさせて、親指はギリギリつかないくらいで浮かせる。
右手は拳1つ分空けて下側を握って、小指を頭の端に少し掛けていた。
銀狼「…あれ?Aの利き手って右じゃないの?」
『せやで』
コハク「ん?なら何故利き手を下にするのだ?力が入りにくくは無いか?」
『ん…これは見せてみた方がええかな。』
刀を握る金狼の前へ歩くA。
利き手の右手を鍔側に、左手を頭側にして握る金狼。
力を込めて握る金狼に、Aは真ん中の空いてる部分に手を当て、スっと頭の方にズラした。
それに合わせて手を腕ごと内側にひねる。
金狼「グッ………!!」
すると、スルりと撫でたように金狼の手から刀が離れた。
コクヨウ「なんと…!!」
『な?利き手ちゃう方が頭側やと直ぐに手から離れてまうやろ?』
金狼「…なるほど。」
銀狼「ひえっ…コハクちゃん程じゃないとは言え、金狼もそこそこ力あるのに…そんなスルッと…。」
『これは力関係ないねん。重心とか力の作用とか…まぁ細かい事は分からんでええよ。
皆考えて計算して身体動かすタイプやないやろうから。』
コハク「それもそうだな!」
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dmiano(プロフ) - とっても好きです!応援してます! (3月31日 1時) (レス) id: dcf0e7ac67 (このIDを非表示/違反報告)
昴 - ストーリーの間にあるオリジナルストーリーが作り込まれてて、読んでてとても面白く素敵な小説だと思います。投稿は大変だと思いますが無理せず更新して欲しいです。 (1月19日 23時) (レス) @page10 id: e348c6f33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:五月雨雫 | 作成日時:2025年1月10日 21時