ハートが13個 ページ22
首領の執務室を後にしてぽん、といつもの顔に戻る。異能の下で、すん、と真顔になるのは仕方の無いことだとどうか理解して欲しい。上司に「私にはすっぴん見せてくれないのかい？(意訳)」と言われて真顔にならない成人女性が居たらどうか教えて欲しい。こんな時はどんな反応をすべきなのかと。いや、勿論この会話が忠誠を問うものであったのは理解しているし、でも、それでも私は異能の下を見せることができない。見せるだけでも私の大切な人を危険に晒す可能性があるのだから。
絨毯張りの廊下を歩き、太宰幹部の、上司の待っている執務室へ向かう。相変わらず黒服の1人も近寄りたがらない場所だけれど、今日は一段とその気が強いように感じる。…何か、あったのだろうか。
『…幹部、どうされましたか』
なので、入室して直ぐの幹部執務室の片隅で体育座りをしている幹部に話しかけてみた。んん、何時もの人を威圧して飲み込む空気はどうしたの。あれか？風邪？そんなもんでメンタルやられる程弱くないよね弱くない…よね？太宰幹部？
「ねえ、森見くん、貴方は如何して私を見捨てないの？」
ひえ、病んでる…こわい。成程成程…ああ、坂口さんの件か。秒で理解したよ。理解したけど理解できないかな。別にしたくもないけど。…あの人も可哀想だよね、
知らないわけないでしょう、誰だって身内だろうが1度は疑って掛かるんだから。
『貴方の本質が面白いからです』
求められた答えはきっと、もっと違うのだろう、でもそれを言って上げるほど私はいい人じゃない。いい人だったらこんな場所に居ないで、大人しく大学生やってるよ。んで大人しくそのまま公務員にでもなって、大人しく家庭作って、大人しく子供を何人か産んで、それなりの道を歩んでるよ。
「っは、森見くんらしい答えだ」
苦しそうに笑うそんな姿を見ると心が痛い。痛むけれど、私が行動を起こす程でもない。起こした所で、私が何かをできるとも思わない。人は無力である。ど素人である私ならばメンタル面での他人へのケアに対しては焼け石に水程度の効果しかない。それすらもあるのか怪しいが。
「…嗚呼、死ねないかなぁ…」
常日頃から言い続けているその言葉も、今回はまた違う意味を含んでいるように感じられた。感じても彼の考えは私には理解できない。できたとて、何も出来ない。
『幹部は…生きてください』
こう、苦しまぎれに言うしか、方法は何も無い。
ラッキーカラー
あずきいろ
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椿@低浮上(プロフ) - アイリスさん» ありますね。繊維なのでお腹を壊したりはしませんでしたが、二度と食べたいとは思いませんでした。シャボン液………ひぇ、大丈夫だったんでしょうか……、歯磨き粉は私もありますね。 (2020年10月16日 7時) (
レス) id: e4b31c2906 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス - 作者さんは紙を食べたことがあるんですね。因みに僕はティッシュとシャボン玉の液と歯磨き粉を食べたことがありますww (2020年10月4日 16時) (レス) id: e2ff213486 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 姫歌さん» あ、そうですね！ついつい嬉しくて…。もう此方からお邪魔しますね！ (2019年5月19日 14時) (レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - 椿さん» 何度かコメントくださいましたよね。…これ以上はコメント欄のチャットになってしまうので、宜しければボードにお邪魔しても宜しいでしょうか？ (2019年5月19日 11時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 姫歌さん» でも殆どタイトル詐欺なんですよね(笑)姫歌さんの作品本当に大好きです…！だざにぃ好きです！ (2019年5月19日 11時) (レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椿 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3d9bdea2451/
作成日時：2019年3月27日 20時
