ハート乱用する系上司に日々苛ついています【文スト】

ハートが1個 ページ2

此処はポートマフィア、本部ビル。
最年少幹部と名高い太宰治の執務室である。

私は彼の補佐役であり、彼による被害者の会の副会長。因みに会長は中原中也さんだ。被害者というと大仰に聞こえるけれども、その組織の実態はやけ酒をする中原さんを止める私というだけである。何も無い。ちょっと面白くないくらいには何も無い。
でも私自身は太宰幹部に溜まりに溜まった書類を早く終わらせて貰いたい。首領には君が頑張ってもらわなくては太宰君は仕事をしないのだよね、なのだとか言われたがンなもん知るか。仕事をせんように育てたのは貴方でしょうが！！

『太宰幹部、電子遊戯(ゲーム)よりも仕事をしてください』

革張りの椅子に胡座をかき、電子遊戯(ゲーム)と格闘している彼の顔すれすれに書類を叩きつけた。いやあ、当たっていたら面白かったのだけれど。まあ当てたら私、死亡だからね。それは嫌だ。死にたがりの此奴とは違う。あ、此奴って言っちゃった。まぁいいか。

「わぁお、森見くんってば、私を殴るつもりだったの？」

大して驚いた様子の無い太宰幹部がへらへらと笑いながらいう。…ほんっとにこいつ殴っていいなら殴りたい…。でも、できない。誰だって自分の首とはお別れしたくないからね。やだよ不敬罪で処刑とか。いつの欧州の王族だよ。

『嫌だな、掠ってすらないではありませんか。太宰幹部は本当にご冗談がお好きなのですね』

「ねえ森見くん、この書類やっておいてよ♡私、今から首領の所に行かなきゃいけないから…ほら、君、私の補佐じゃないか」

補佐だからって書類仕事押し付けるのはどうなんだよ。あ？？首領に呼ばれたから？嘘つけやおら、手前また諜報員の坂口安吾と最下級構成員の織田作之助と飲みに行くだけだろうが！！手前のスケジュール握ってるのはこっちなんだぞおらぁ！！！
…何て口が裂けても言えないのでにっこり微笑んで出口を指し示しとこう。むり。がんばるけど。

『分かりました、ではいってらっしゃいませ』

今日も胃が痛む一日になりそうだ。もう既に痛いけど。物凄く痛いけれど。なんなの本当に。無意識に手に取った錠剤とペットボトルの水に自分で驚いた。普通は無意識で取るものじゃないよね…？ね、そうだよねぇ。

…あー、今日も元気に社畜ライフを始めますか…。はぁ。…疲れた…。

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あずきいろ

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