情報提供12回目(あっすん) ページ14
僕が意思を曲げるつもりは無い目で見ると与謝野さんは溜め息を吐いた。そして肩を竦めて言う。
「ま、それがアンタの仕事だからねぇ。それに私達もアンタの情報網を失うのは痛手だからこれ以上は聞かないさ。さぁ、用は済んだろ?早く帰んな」
「えぇ、そうさせて頂きます。太宰君の視線も痛いですし一刻も早く依頼者を安心させなくてはいけませんから」
そう僕はフッと笑ってから言い気絶したままの依頼者の弟を抱え探偵社から出て行く為に扉へと向かった。
そして手前迄きた所で振り返りにっこりと笑った。
太宰君ってば凄い怖い顔してるなぁ。なんて思いながら僕は何時も通りの去り際の言葉を言う。
「また必要な時は頼らせて頂きますね。それでは今後ともどうか千里眼をご贔屓に!」
そして踵を返してさっさと出て行った。
そして暫く歩いた後着替えた服の裾を捲り付けられていたGPSを外す。
「おっと。すみません」
「いえ、此方こそ」
そしてさりげなく通りすがりの人ぶつかってからそのGPSを付けてからまた歩き出す。
全く、太宰君は本当に変わらないね。
あの手癖の悪さも直ぐに顔に出る所とかも。
…あぁ、後二人きりになった途端にマフィアに居た時と同じ黒い目になった所は少し驚いたかなぁ。
まぁ、いいか。
僕はそう楽観的に自分に言い聞かせた後少し足早に拠点へと向かった。
扉を開けて拠点へ入ると事前に連絡して読んで置いた依頼者が居た。
そして弟を見た途端安堵の息を溢し深く頭を下げて礼を言ってきた。
「本当に!本当にありがとうございます!また弟と会えるなんて思っていなかったです!」
そうボロボロと泣き出す依頼者に僕はにっこりと笑って告げる。
「会えて当たり前ですよ。私に不可能は有りませんから」
「本当に貴方に頼んで良かった!!」
ガシィッと僕の手を掴み泣き続ける依頼者に流石に僕も苦笑してしまった。
まぁ、正直言うと今回は危なかったのだけど。
こんなにも喜んでくれるならやつんた甲斐が有ったものだ。
僕はそう密かに心の中で呟いた。
ーー
はい!失踪した弟編はこれにて完結!
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