検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:46,703 hit

情報提供12回目(あっすん) ページ14

僕が意思を曲げるつもりは無い目で見ると与謝野さんは溜め息を吐いた。そして肩を竦めて言う。

「ま、それがアンタの仕事だからねぇ。それに私達もアンタの情報網を失うのは痛手だからこれ以上は聞かないさ。さぁ、用は済んだろ?早く帰んな」

「えぇ、そうさせて頂きます。太宰君の視線も痛いですし一刻も早く依頼者を安心させなくてはいけませんから」

そう僕はフッと笑ってから言い気絶したままの依頼者の弟を抱え探偵社から出て行く為に扉へと向かった。
そして手前迄きた所で振り返りにっこりと笑った。
太宰君ってば凄い怖い顔してるなぁ。なんて思いながら僕は何時も通りの去り際の言葉を言う。

「また必要な時は頼らせて頂きますね。それでは今後ともどうか千里眼をご贔屓に!」

そして踵を返してさっさと出て行った。
そして暫く歩いた後着替えた服の裾を捲り付けられていたGPSを外す。

「おっと。すみません」

「いえ、此方こそ」

そしてさりげなく通りすがりの人ぶつかってからそのGPSを付けてからまた歩き出す。
全く、太宰君は本当に変わらないね。
あの手癖の悪さも直ぐに顔に出る所とかも。
…あぁ、後二人きりになった途端にマフィアに居た時と同じ黒い目になった所は少し驚いたかなぁ。
まぁ、いいか。
僕はそう楽観的に自分に言い聞かせた後少し足早に拠点へと向かった。
扉を開けて拠点へ入ると事前に連絡して読んで置いた依頼者が居た。
そして弟を見た途端安堵の息を溢し深く頭を下げて礼を言ってきた。

「本当に!本当にありがとうございます!また弟と会えるなんて思っていなかったです!」

そうボロボロと泣き出す依頼者に僕はにっこりと笑って告げる。

「会えて当たり前ですよ。私に不可能は有りませんから」

「本当に貴方に頼んで良かった!!」

ガシィッと僕の手を掴み泣き続ける依頼者に流石に僕も苦笑してしまった。
まぁ、正直言うと今回は危なかったのだけど。
こんなにも喜んでくれるならやつんた甲斐が有ったものだ。
僕はそう密かに心の中で呟いた。


ーー
はい!失踪した弟編はこれにて完結!

情報提供13回目(椿)→←情報提供11回目(椿)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (66 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
109人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:椿&あっすん x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年3月15日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。