怪演女優 Fifty Three

帰国 You side ページ3

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あの後、かくかくしかじかありながらも、出演者やスタッフさんの大半の方に支えられ、なんとか「BOMVOYAGE」はクランクアップを迎えた。

そして、あれよあれよという間に、帰国の日。

アメリカ時間では月曜日の夜13:00前。

今から帰れば恐らく水曜日の17:00頃には着くだろう。

あんなに帰国を楽しみにして頑張っていたというのに、日が経つ度、本当に帰っていいのだろうかという不安が生まれ、航空券を握りしめる手が震える。

私が帰る事で問題が蒸し返され、またある事ない事言われたらどうしよう。

大事な人が離れていってしまっていたらどうしよう。

そんな不安でいっぱいの私の肩を叩いたのは、


Timmy「Are you all right?」
(大丈夫？)


このアメリカ生活を一番近くで支えてくれていた、ティミーだった。

あの日からずっと彼は私の事を心配してくれていて、私がなんだか不安そうにしていれば、何かと話を聞いてくれて、アドバイスをくれていた。

彼がいなかったら私は今頃、ホテルの屋上から飛び降りていただろう。


『…I’m all right.』
(…大丈夫だよ。)

Timmy「You're a pretty bad liar.」
(君は嘘が下手だね。)

『…I'm afraid to go back to Japan.』
(…日本に帰るのが怖いの。)

Timmy「Why?」
(なんで？)

『They may say whatever they want again.』
(また好き勝手言われるかもしれないでしょ。)

Timmy「Let those people say it.…Or are you worried about me being on your side?」
(言わせておけばいいじゃん。…それとも僕が味方なの不安？)

『That's not true.You won't find a reliable ally like this anywhere else.』
(そんな事ないよ。こんなに頼もしい味方、中々居ないもの。)

Timmy「Right? So don't worry.As long as you don't commit a crime, I'm on your side.」
(でしょ？だから心配しないでよ。犯罪をおかさない限りは味方だから。)

『…Then you're on my side for life.』
(…それなら一生味方だね。)

Timmy「That's right.」
(そういう事。)


こんなに頼もしい味方はいないし、ここまで寄り添ってくれた人はいない。

友人として大事に思ってくれているのは重々分かっているし、私だってティミーに負けないくらい大切に思ってるし、とても感謝している。

こんなに大事に思ってくれている人が味方にいるのに、何を恐れる事があるかと、私はその言葉に頷いた。

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