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そう言ったAちゃんは、憑き物が落ちたような顔をしていた。
正直、世界でも通用する演技力の他、音楽センスやダンススキルも持ち合わせる「怪演女優」が、この世から去ってしまうのは凄く寂しい。
だけど、それでAちゃんの肩の荷が降りるなら。
Aちゃんが自由に、楽しく笑って暮らす事ができるのなら。
俺に止める権利なんてないし、そもそも止める理由もない。
田中「そっかぁ、……Aちゃん女優さん辞めちゃうんだね。」
『うん、引き際に納得したらね。……その時はさ、養ってくれる?』
田中「うん、いいよ?」
『私、専業主婦でもいい?』
田中「いいよ?」
『嘘だよ、ちゃんと働くよ。』
田中「なんでよ、……え、ごめん、俺の収入だけじゃ不安?」
『違う、そういう事じゃなくて。』
田中「あぁ、そういう事じゃないのね。よかったぁ……。」
『まぁ……でも、ないぷりの続編が出来るまでは辞められないかな。』
田中「あー、それは俺もそうかも。」
……ただ、自覚しているかは分かんねえけど、自分が演じたドラマとか映画の話をしてるAちゃん、すっげぇ楽しそうなんだよな。
そこだけはちょっと勿体ないような気もするんだけど、それでも、この仕事が重荷に感じているのなら、辞める他ないんだと思う。
「負けず嫌いなAちゃんが、中々引き際に納得しませんように。」と、やっぱりAちゃんのファン兼、彼氏の俺は思ってしまうのだ。
そんな事を思ってしまう彼氏でごめん。……とは、勿論思っている。
でも、まぁ……AちゃんがAちゃんである事は変わらないし。たとえ驚くほど早いスピードで納得して辞めても、それはそれでいいか。なんて。
田中「……あれ?てか、ミレパは?どうすんの?」
『ミレパは普通に続けるつもりだよ?楽曲制作もするし、ライブも出るし、そこは今までと特に変わらないかな?』
田中「え、じゃあ、Aちゃんがバチくそかっこいいライブでにこにこ楽しそうにしてんの見れんの?」
『え、私そんな場違い感すごい?』
田中「いやいや、めっちゃ褒めてる。あまりに可愛いからさ、あれ見れなくなんの辛いなぁって思ってたから、すっげぇほっとした。」
『あぁ、そういう事か。……元々、音楽の方が性に合ってるなぁって思ってたからさ、そこは辞めないから安心して?』
田中「あー、まじ良かったぁ……。」
『いや、心配しすぎだから。』
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花火2016(プロフ) - ぴさん» コメントありがとうございます!ジャニヲタからするとほんと複雑ですよねぇ…。私と同じジャニヲタさんのモヤモヤを解消する為に書いたので、喜んでいただけて嬉しいです☺️ (9月27日 16時) (レス) @page49 id: 5bc3e1fe69 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 更新ありがとうございます!昨今色々騒がれてて推してる身としては色々疲弊してたのですが今回のお話を読んでちょっと救われました🥲🥲これからも更新楽しみにしております! (9月27日 8時) (レス) id: 6f5cf267a1 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - ぴさん» 読んでくださりありがとうございます!!あれ見ながら「でも夢主ちゃんならいいんだろうな〜」と思ってたのでそれを形にできてこちらも満足です!これからもお願いします! (8月27日 13時) (レス) @page45 id: 5bc3e1fe69 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 更新ありがとうございます!トークィーンズが放送されてからそのお話が読みたかったのでほんと嬉しいです( ; ; )これからも無理なくよろしくお願いします! (8月27日 1時) (レス) id: 6f5cf267a1 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - ぴさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!めっっちゃ良かったですねぇ…。井手くん、未だに録画見返すくらいには大好きなキャラです…。抱き締めたい…。愛でたい…。 (7月24日 22時) (レス) id: 5bc3e1fe69 (このIDを非表示/違反報告)
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