episode 126 ページ36
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お墓に行ってから30分ほど経った頃だろうか。
神谷さんが帰ってくる姿が見えた。
帰ってくるまでの間は特に何をしていたという訳じゃないのだけど、少しだけ考え事をしていたのだ。
彼女のお墓にさよならを言った神谷さんに、私はなんて声をかけようか。と頭の中はいっぱいになった。
そんな事を神谷さんが帰ってくる間に考えつく訳もなくて、気付いたら神谷さんが車のドアを開けていた。
その目は少し腫れていて、少し潤んでいた。
神谷「…お待たせしました。」
『……いえ。』
神谷さんは車の運転席に深く腰かけたと同時に、はぁ…っとため息をついた。その目は凄く暗かった。
まるであの事件があった私の目みたいだった。
何を話していいかも分からず、とりあえず勢いで言ってしまえというのが私の悪いところなのだけど。
それに気付く前に、口から言葉が出てしまっていた。
『…幸せだったんじゃないですかね、彼女さん。』
神谷「………。」
『神谷さんと付き合えて、幸せだったと思います。』
神谷「……幸せ、だったんですかね。」
『はい。きっと。』
神谷「…俺なんかと、付き合ってたのに？」
『神谷さんと付き合えたから幸せなんです。神谷さんを愛して、神谷さんに愛されたから幸せなんですよ。』
自分でも何を言っているのかさえ分からず、ただ口から出てきている言葉を止めずにいただけだった。
こんな姿の人を、放っておく訳にはいかなくて。
それは神谷さんが好きだから、というだけじゃなくて、神谷さんという人間に寄り添いたかったから。
人間として当たり前の行為なんじゃないか。
神谷「…二階堂さん。」
『……はい？』
神谷「……一分間だけ。」
『一分間だけ？』
神谷「…抱き締めてもいいですか。」
急に神谷さんからそんな事を言われたので、私は驚きを隠せない表情で運転席の方を勢いよく見てしまった。
そんな爆弾発言をした神谷さんは私の方も見ずに、暗い目で、ただ前を向いてぼーっとどこかを見ていた。
えっ、と私が反応する前に神谷さんの目から一筋の涙が流れているのがわかって、深呼吸をして覚悟を決めた。
『…一分間なんて言わず、落ち着くまで抱き締めてて良いですよ。それで神谷さんが落ち着くな、らっ…！？』
私は言葉を言い終わる前に、神谷さんは私の腕を自分の方にぎゅっと引っ張り、私のことを思い切り抱き締めてきた。
神谷さんが落ち着けるように、私は神谷さんの背中をとんとんと優しく叩いた。
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そある(プロフ) - こんにちは。突然連絡をしてしまい、すみません！あなたの番ですの再放送をしており、この夢小説の内容が気になって、読んだ結果とても面白い、楽しいと感じました。完結おめでとうございます！作者さんにはとても感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。 (2021年7月10日 16時) (
レス) id: c056380204 (このIDを非表示/違反報告)
橋本@かんな(プロフ) - 完結おめでとうございます！全話楽しく読ませていただきました。終わってしまうのが寂しいです…。作者さんには「ありがとう」でいっぱいです。お疲れ様でした！ (2019年11月10日 10時) (レス) id: f44fa375d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユーナ(プロフ) - 完結おめでとうございます！いつも陰ながら応援していました。とても読みやすく本当に面白くてキュンとして完結したのも少し寂しいです ただ本当にありがとうございました！この小説に出会えて良かったです (2019年11月10日 2時) (レス) id: cd6555e146 (このIDを非表示/違反報告)
がなと(プロフ) - 完結おめでとうございます！いつも楽しみに待っていた小説でした。本当に面白かったです！ (2019年11月10日 1時) (レス) id: 9453040fcf (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 135話に誤字がありました。「同性」ではなく、「同棲」です。 (2019年11月9日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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