喧嘩ができない元スケバン先生。２！【今日から俺は！】

第６話！ ページ8

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真壁sideです
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相良「...いつもと違うか？先生。」


今、喧嘩をふっかけた奴の家に上がって、何故かそいつに手当をされてる。

しかもそんな変な事を聞かれた。

こちらとしては、感じた事のないような気まずさを感じてるから早く帰りたいのだが。


真壁「...違くない。」

相良「お前の言う通りだよ。」

真壁「...え？」

相良「こんな怪我だらけの奴に文句も言わねぇしよ、大事なのに文句も言わねぇだろ。」


先生は普通なら文句を言ってもおかしくないような状況なのに、文句の一つも言わなかった。

馬鹿が付くほどのお人好しなのか、本物の馬鹿以外は普通、文句を言うだろうに。


相良「あいつはそういう奴なんだよ。お前がAに惚れた理由も何となく分かるよ。」

真壁「...優しすぎんだろ。」

相良「あぁ。俺達の怪我に焦って、手当のやり方ド忘れするくらいな。」


相良は手首に巻かれている包帯を見せてきた。

その包帯は今にも解けそうなほどゆるくて、お世辞にも器用とは言えないほどだった。

こいつと付き合ってるなら手当は慣れてるはずなのに、本当にド忘れしてるのだろうか。


真壁「...なんで、あれで止めたんだよ。」

相良「あ？」

真壁「...お前と同級生だっていうOBに聞いたらよ、喧嘩では絶対に容赦しなかったって。」


狂犬時代は女相手にも容赦しないような恐ろしい奴で、番長よりも恐ろしかったと聞いた。

容赦しないで殴られるような大怪我は負ってないし、容赦してたとしか思えない。


真壁「...なんであそこで辞めたんだよ。」

相良「俺が本気でお前の事殺すとでも思ってたのかよ。」

真壁「そうじゃねぇけど...。」

相良「確かによ、高校時代は馬鹿やってたよ。なんならヤクザ使ってボコボコにしてたよ。」

真壁「うわぁ...」


自分でも想像してなかった卑劣度合いで、自分から聞いたにもかかわらずひいてしまった。

今の番長の柳川だって、ヤクザを使って喧嘩に望んだ。なんてことは聞いた事ない。


相良「だけど、お前が俺くらいの歳になれば分かるけどよ、別に喧嘩が全てじゃねぇよ。」

真壁「......。」

相良「お前は、Aよりもいい女見つけろよ。それがお前の一番大事な物になるから。」


...こんな野郎でも真面目な事、語れんだな。

狂犬が弱くなっただけかもしれないけど、真面目に話す相良の横顔が、頭に焼き付いた。

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