【ツイステ】でかけよ、オンボロ寮(仮)

228.お遣い･続行決定 ページ28

カリム「不思議なやつだなぁ、金は嫌いなのか？」

『そう言うことじゃないですけど、…熱砂の国で言うなら
…あ、そこにある水差し』

私はそこの、と指をさすと彼は首を傾げた
床に置かれた水差しは透明なガラスで、底から草花のような金細工が施されている

カリム「？」

『普通の人が見たら喉から手が出るほど欲しがるでしょうけど

砂漠の中飲まず食わずで彷徨ってた旅人なら「そんなものはいらない、さっさと中の水を寄越せ」
って水差しに見向きもしないでしょう？

物は使えればいい、って思ってるので頂いてもと言うか…』


カリム「…


お前賢いなぁ！」


『え』

カリム「そう言う考えた方もあるのか…いいな！」

そう言うと彼は天真爛漫な笑顔を見せ、私の頭を無造作に撫でた
ガシガシと犬を撫でるような手つきで髪は多分ボサボサになってる

けど彼を見ると含みのない無垢な表情で「…まぁ、いっか」と終わりを待った


カリム「そうだ、一つ頼まれてくれないか？」

『…はい？』

カリム「お前、オクタヴィネルに知り合いはいるか？」

『…え、…まぁ、顔見知り(?)なら』

カリム「おお！なら丁度良かった！」


『？』


カリム「これを、寮長のアズールに持って行くように頼んでくれないか？」


彼はペンでサラサラと紙に何かを書くと、紐で結び私の手元に置いた



『…え？』

カリム「本当ならオレが行ってもいいんだけど、一人で出歩くとジャミルがうるさいんだ」

『…えぇ…？』


突然何を言い出すんだろうこの人は
断ろうと口を開こうとしたその時、言葉を発するより先に両手で手を握りしめられる

ビックリして顔を上げると、そこには懇願するような熱のこもった目がありそれは完全に私をロックオンしている



カリム「頼む！この通りだ！


オレの代わりに行ってくれないか！！？」



『……



喜ンデ』



いつものことだがヲタクはこの手の可愛い顔をした人間にすこぶる弱かったので
葛藤に負けた末に実写版○カチュウに酷似した表情で引き受けた


ー




カリム「じゃあな頼むぞ！また遊びに来いよ！」

『…はい、ご馳走さまでした』



カリム「あっ、


ところでお前名前なんて言うんだ！！！？？」


『Aです！！！！！！』


いや知らなかったんかい、心は叫びたがっていた

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