183.上げてから秒で落す ページ33
何かを見つけたような口ぶりに視線の先を追うと、
入り口のところでこちらを見ている人物に気づいた
赤い髪の青年はこちらをじいっと見つめて手には紙束を持っている
『リドルさん』
私は顔の横で小さく手を振ると、数回瞬きをした後に軽く手のひらを返してくれた
(うん、いつもの反応だ)
だが何かを言うわけでもなく挨拶を済ましたと言うような感じでどこかへ行ってしまう
『…行っちゃった』
トレイ「あぁ、あまり気にしないでくれ。あれでも譲歩してる方だぞ?
普段女の子と喋る機会がないからな、素っ気なく感じるかもしれないが」
『いえいえ、いつ返してくれるので十分嬉しいです』
トレイ「そう言ってくれると助かるよ
リドルは育ちのせいか女性が苦手な面があってさ」
(…あー)
人の親にそういう評価をするのも如何なものかとは思うが、
あのマジヒスの極みみたいな毒ママの話か
…女性恐怖症の一種だったりするんだろうか
それならすごく悪いことをした
いつも振り返してくれるので習慣にしてしまったが、もしかしたら無理していたのかもしれない
『…ふーむ…』
トレイ「そんな思い詰めなくていいぞ、リドルも本当に迷惑なら自分で言うさ」
『…私口に出てました?』
トレイ「いや?なんとなくそんな顔してた」
聞きましたか今の
そんなことを爽やかな笑顔で言える男そうそういないぞ
だがいるんだな、ここに(大声)
兄属性を遺憾なく発揮しているが本当にここは男子校か?
宝物庫かと言うほどに逸材がいるんだが
トレイ「仕上げは俺がやるから…、そうだ、リドルを連れてきてくれないか?
部屋にいるだろうから」
『今女性が苦手と聞いたばっかだった気がします』
トレイ「俺が行った方が断られそうなんだ、美味しいものは大人数で食べた方がいいだろ?
それに今日使ってる苺、本当はリドルに出すタルト用の物だったんだよなぁ…」
『…え、作ってから言うのありですか?それ』
カットする前に言うやつじゃん、せめて
流石ヴィランを讃える魔法士育成学校の三年生だ、どうにもならない取引材料を出しきやがる
私は不満を残しつつもそれならとエプロンを外して教えてもらった彼の部屋に向かった
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鮭 - やば、、ユウくんに惚れた、、。 (2021年4月9日 16時) (レス) id: 48273db12a (このIDを非表示/違反報告)
りん - kiwaさん» ずっと口が発狂し、ぐっとか、あぁぁなど言いまくっていました。良き作品ありがとうございます。おかげで今日一声を上げました (2020年10月18日 19時) (レス) id: eece4909f1 (このIDを非表示/違反報告)
kiwa(プロフ) - のきおさん» コメントありがとうございます!通知OFFにしているためコメ返遅くなってしまい大変申し訳ないです、、、夢主は通知いかれた編入生なのでその感じが伝わっていたら幸いです! (2020年6月21日 22時) (レス) id: 5aec69db40 (このIDを非表示/違反報告)
のきお - 話のテンポと言葉選びと夢主ちゃんのイキリト感が大好きすぎて過呼吸です。 (2020年5月29日 15時) (レス) id: 460b9f13c1 (このIDを非表示/違反報告)
kiwa(プロフ) - 凪さん» 実は、、、この後どんどん性格出てくると思います。お楽しみに´`* (2020年5月28日 13時) (レス) id: 5aec69db40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiwa | 作成日時:2020年5月20日 17時