【ゲーム実況者】浅き夢見じ酔いもせず【短編集】

心あてに　折らばや折らむ　初霜の　置きまどはせる　白菊の花／湯毛／椿　リクエスト ページ27

「もしもし湯毛ぽー？Aだけど」

「おん、どうしたん？」

「湯毛ぽの明日、もらってもいい？」




心あてに 折らばや折らむ 初霜の




「ホラー映画？」




Aの手にはホラー映画。

ひと昔前に流「超怖いホラー映画」って流行ってたやつ。




「課長から借りたんだけど、ひとりじゃ見るの怖いじゃん？」

「いや……これ超怖いってやつやろ？」

「え、そうなの？でも大丈夫大丈夫！」




何が大丈夫かは知らないが、AはDVDをセットする。




「じゃあ見よう！」

「はいはい……」




30分くらい前の俺とAに言っておく。

絶対見ない方がいい。……なんでかって？




「うわあああ！！ゾンッ……わああああっ！？！」

「ちょっA！？！コーラ溢した！！」




こうなるからです(白目)



俺は怖いの大丈夫やからええけど。

Aこんな怖いやつ耐性なかったんや……超ビビるやん？


映画やからポップコーンとコーラ用意したのはいいものの。

わああと叫びながらAは溢す溢す。




「ぅぅぅぅぅ……湯毛ぽ怖いぃぃぃ……」




俺も見るのを辞めさせればいいものの。

目に涙を溜めながらぎゅっと抱きついてくるAが可愛くて。




「俺が守ったるからな！」




なんて言いながらAの肩を抱く。俺の馬鹿！！！！



40分前の俺に言っておく。

ちゃんと映画見させるの止めろよ……。




「っあー！！！！！ゾンビゾンビゾンビゾンビ！！！」

「わかったから！！目ぇ閉じろアホォ！！」


「うわあああん、マリイが死ぬうううう！！！」

「マリイは死なないから泣くな！！！」




そんで見終わって。




「こ“、怖“か”っ“た”ぁ“……」




俺の胸にぎゅうっと顔を押しつけて泣くA。

いや俺もいろんな意味で怖かったんやけど。Aが。




「これでもう懲りたやろ、ホラー映画なんて」

「……全然っ！！」

「は！？」




Aはぎゅっと握り拳を作る。




「もう怖くならないように、いっぱい見る！！」

「お前よくそんなこと言えるよな……」

「湯毛ぽも付き合ってね！」




なんてウィンクされてしまえば。

疲れなんか全てぶっ飛んでしまって。




「そうやな」




あてずっぽうに、見るだけ見てみようか。

俺はその分、Aとおれるんやから。




置きまどはせる 白菊の花







￣￣
この句めっちゃすきです。

ちなみにこがおはホラー大丈夫勢です。


リクエストありがとうございます！！！！

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