53話 ページ3
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『? 由良? 何見て……!』
由良の視線の先を辿ると、そこに居たのは。
「煉獄先生お題何でしたぁ?」
「私達も協力しますよっ!」
きゃっきゃっうふふな女子達に囲まれている、煉獄先生だった。うげっ、と思わず眉間にシワが寄る。
うっっわよりにもよって煉獄先生がお題探しにこっちに来るとは…いや、それよりいつも煉獄先生にアタックしている由良が大人しいなんて、珍しい。
『由良? どうしたの、珍しーねアタックしないなんて』
「…あそこにいる軍団、三年生。しかも一軍よ」
『あぁ、そういう…』
悔しそうな声色の由良一番権力が強い三年生の中に入れるわけないよね。
確かに、煉獄先生に近寄りたいけど近寄れない…!って言う表情してる子もいるしね。
未だに黙っている由良が、何となく心配で伏せている顔を覗き込んむと、そこには極悪人の様な表情の由良が。
……えっ?
『エッあの由良さん…?』
「チッ…乳しか取り柄のない雌豚共が先生の周りを独占してんじゃないわよ……」
『ひぇ』
忌々しく発せられた声は、私を怯えさせるのに充分なほどで思わず隣にいた善逸の腕を掴んだ。
えっ!?Aちゃんっ!?なんて顔を赤くしている彼なんて知らない。由良が怖すぎてもう早くゴールしたいんですが。
『善逸はやくいこ。ここにいたら私たちまで殺されるぞ』
「あっうん! いこ!!」
掴んだ腕はそのままで私が引っ張る形になり走り出す。だが、走り出した足は一つの声で動かなくなる。
「小倉少女」
『!』
そのよく響く声は三年生の女子達に囲まれている私にもしっかりと届いた。目線だけを彼によこすと、彼はいつもの笑顔を浮かべながら私を見つめている。
なんで呼び止めたんだよ変態教師!って叫びたいが、彼の周りにいる彼女達の視線が怖すぎて声が出ない。
ち、ちがっちがうんですぅ!私は名字を呼ばれただけでっ!なにもしてないんですぅ!!
冷や汗タラタラな私に対し、煉獄先生は未だに読めない
取り敢えず、ここにいたら私(女子達の視線で)死にそうだからさっさとずらかろう。
そう思い再度足に力を込めた時、事件は起きた。
「A。一緒に来てくれ」
『…はっ、てアンタちょっ……!』
突然の名前呼びに思考が停止する。気付いた時には先生の手に捕まっていて、善逸の腕からするりと抜けた。
まってなんだこのデジャヴ感!!!!
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Alice - ( ,,`・ω・´)続きが早く見たいです!.更新頑張ってください (2023年2月9日 7時) (レス) id: 37c62558af (このIDを非表示/違反報告)
アオ猫又(プロフ) - 一気読みさせてもらいました!更新楽しみにしてます!! (2022年1月1日 21時) (レス) @page19 id: 6f2bf6bdd1 (このIDを非表示/違反報告)
もろん - オモシロかったです!次の更新はいつでしょうか。 (2021年6月11日 6時) (レス) id: 2c8540451a (このIDを非表示/違反報告)
リリア - すみません、誤字があったので言いますね。68話の最後の方の、「嗚呼、今日で何度目だろうか。」の「今日」が「鏡」になってました!間違ってたらすみません!! (2021年4月3日 23時) (レス) id: 6d42949a76 (このIDを非表示/違反報告)
リリア - めっちゃおもしろいです!!!!!早く更新してくださいませ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2021年4月2日 10時) (レス) id: d7aea1f85d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:豆腐の中の棒人間 | 作成日時:2020年1月19日 22時