『あの、幽霊憑いてますよ？』【歌/い/手】

きゅー ページ10

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『っ……ん…』


突然の眩しさに目を開ける。
あれ、ここ、ソファ？
えー、と……どういう事だ？


まだ覚醒しきってない頭でふわふわと考える。
今は……朝の５時！？

えっ、５時…えっ！？


『５時……ぁぁぁぁ！ そーだそーだ、忘れてた...今日は歌詞さんのライブじゃんか！！』

なんで忘れてたんだっと、慌ててソファから飛び出たので尻餅をついてしまった。
その痛さに若干涙目になるが気にするもんか。


『たしか、歌詞さんのライブが１１時だから…準備にかかる時間は３０分から１時間くらい？』


え、そ、それじゃあ……
『５時間も待てっていうんですか！？』


歌詞さん、あなた結構なスパルタ野郎なんですね(違う)
流石に５時間前からは行かないけど…２時間前くらいには着いてたいお年頃なのよ。

私はノーメイクって言うわけじゃないけど、ナチュラル派だ。
まぁ、メイクが下手すぎて濃くやれないだけなんだけど…


ってなわけで、服を！選びましょう！！
よーし、いこーっれっつごー！ごー！

『んー、ど、れ、に、し、よ、う、か、なっ！』



薄いピンク色に花柄のスカートを身につけてその場で１ターンしてみる。私の足元にはさっき試着していた服がたんまり転がっている。

このスカートも可愛いけど…
こっちかなぁ。


特に柄のない無地の白いワンピースを片手に鏡の前にいく。
このワンピース、一目惚れで買ったんだよね…



これでもいーけど、なんか物足りない……
あ、上に着る物を決めればいっか！
あーでもない、こーでもない。と迷っていたら既に時間は過ぎていき、時計は９時をさそうとしていた。


『ゲっ…もうこんな時間じゃん！ 嘘でしょ！？
いかないと…！！』


ぱたぱたと忙しそうに持っていくものを準備して、玄関へと向かう。
と、そこにキュンキュンが走ってきた。


『ん？ お見送りしてくれるの？
じゃあ、いってくるね！ お留守番は頼んだよ！！』
「わふっ！？ わんっ！ わんわっ！」


そんなに私と別れるのが嫌なのか……無意識に口元が緩んでしまうのがわかる。
がちゃりとしっかり鍵をかけたのを確認して、家を出た。


そこで、運命が変わるとも知らずに、上機嫌で私は電車に乗った。








(あやっべ、キュンキュンに餌やるの忘れてた。なるほど、だから私を引き止めたのか……)





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３位という数字を見て目が禿げました。
ひぇ……ありがとうございます。

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