『あの、幽霊憑いてますよ？』【歌/い/手】

じゅういちー ページ12

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「こんにちわー！ みんな、今日来てくれてありがとう！
来てくれたからには僕の本気を伝えたいと思う…！！
一曲目は、『ピエロ』＿＿」




独特な演奏が始まる。

ああ、私は今ここに、歌詞さんのライブに居るんだな、と実感できる。
ペンライトも、ライブハウスも何もないけど、それでも魅了される。

うん、やっぱり好きだ。

ってか、歌詞さんがとっても近い。
気のせいかな、めっちゃいい匂いがしてくるんだけど。


まぁ私一番前の列に立ってるんで歌詞さんが近いのは当たり前なんだろうけど、やっぱり距離感感じないってのは路上ライブの良い所の一つだよね。

よく一番目行けたねっ……そりゃあ、ははっぶんどりましたから、女子くそ怖ぇよ(震え声)

チキンだけどこういう時は出来るんです。
うん、やっぱり私のこういう所だいちゅき


歌詞さんの熱は下がるどころかどんどんヒートアップしていく。その熱にリスナーたちもテンションマックスになっていくのが分かる。


「ここまで聴いてくれてありがとう。
残念ながら、今日はこれで終われって上の人達に言われてて(笑)」

長いはずの時間はすぐに過ぎ去ってしまいもう、終わりの時間なんだとか。
歌詞さんの言葉にえ〜、帰らないで！という声も聞こえる。

「そういってくれると嬉しいよ、本当に。
え、と、それと、記念に一枚写真を撮るから、顔映りたくない人は顔隠してね」



そう言うと歌詞さんはこちらに足を運んで来た。
……ん！？こっち！？！



「みんな！ 準備はいい？」


あ、あばばばばば……
め、目の前にハム太郎………じゃない伊東歌詞太郎があばばばばば(情緒不安定)

え、なにこいつハムチャンズにでもなる気？？？
ひまわりの種今から買ってこようか？？
ｱｯやっぱいい匂いする無理……………



「……よし、オッケー！ みんなありがと！」


と、立ち上がった時、歌詞さんと目が合った気がする。
それは一瞬のことですぐに歌詞さんはステージに戻ってしまった。

びっ、くり、した……なんだこれ、ドキドキする………？
まさか…一目惚れしたとか……？

ってそうはいってもこれが恋愛フラグにはならないので安心してください
目が合ったっていっても気のせいかもだし、歌詞さんは憧れとかそういう意味での大好きだからね。





(……さ、帰りましょう。キュンキュンも待ってることだし)

(やっぱ、歌詞太郎さんすごかったですね)
(そうだな、まだまだ負けてらんない…)
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