３週間【青】 (ページ26)

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Shota side

まだムカムカがおさまらない。

思いっきり表情に出てるはずだけど、人が来ないコンビニでは好都合だった。

昼休みに廊下に出たら、ふっかと佐久間にバッタリ会った。
1年の時に同じクラスだった俺ら5人は昼飯を買いに行く前に廊下でしばらく話し込んでいた。

そしたらバカでかい声で下着がどうのやら、誘惑がどうって言葉が聞こえてきた。

騒ぎの方を見ればAセンセーが顔を赤くして俯いていた。

そして俺たちに目をくれることもなく走り抜けて行く。

それを見た時、考えるより先に身体が動いていた。

後ろで佐久間と涼太が必死に俺の名を呼ぶ声が聞こえたけど、そんなのおかまいなし。

ダッシュで2人に向かい、胸ぐらをつかんでいた。

周りにめっちゃ見られてるけど、どーでもいい。

翔「お前ら最低だな！」

一発ぶん殴ろうと拳を振り上げた手をふっかに止められる。

翔「離せよ」

深「なべ落ち着け。手出すのはお前が不利になる」

「うぜーんだよ」とあいつらが吐き捨てるように俺に言って去って行った。

息があがり、やり場のない苛立ちを壁にぶつける。

廊下は騒然としていた。

阿「翔太、大丈夫？」

翔「あぁ」

阿「俺、先生に2人の話してくるね」

そう言って真面目な阿部ちゃんは今の状況を説明しに職員室へ向かった。

その場のざわつきはふっかと佐久間が見事に収め、あまり大事にはならなかった。

大事になったら、傷付くのはセンセーだ。

何もできない自分が不甲斐なかった。

そんな俺の気持ちをなだめるように、涼太にポンと背中を叩かれた。

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今日の出来事を考えていた時、店の自動ドアが開いた。

「渡辺くん…」

今日は買い物をしないのか、入るなり真っ直ぐセンセーが俺の所に来た。

「今日はごめんなさい。阿部くんに聞いた。私あの後のこと何も知らなくて。巻き込んで、嫌な思いさせちゃってごめん」

深々と頭を下げられた。

翔「なんでセンセーが謝るの」

「だって…2人と気まずくなって学校生活送りにくいんじゃないかって」

翔「別に。あんな奴ら友だちじゃねーし。つか嫌いだし。ちゃんと良い奴見分ける目はあるから大丈夫」

「そっか…良かった」

泣いたのか目が赤く腫れている。

翔「センセーこそ…大丈夫なの？」

「うん私は大丈夫。大人だからね！」

そう言って無理に笑ってる。

嘘ばっか。絶対傷付いてんじゃん。

抱きしめたかったけど、出来ない代わりに手を握った。