３週間【青】 (ページ20)

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Shota side

なぜか佐久間とふっかと一緒にいるAセンセー。

一瞬目が合う。

キョトンとした顔で俺を見ていて、キュンとしてしまう自分が恥ずかしい。

悟られないようにすぐに視線を外し、何事もなかったようにまた友だちと話した。

話していながらも意識はずっとセンセーの方に集中していてもどかしい。

昼休みもそろそろ終わる頃、意を決してセンセーの方を見れば、パタパタと小走りでその場を去る後ろ姿を確認し、少し残念な気持ちになった。

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帰りのホームルームでも、無駄に意識しまくっていて、急なこの気持ちの変化に自分自身が1番戸惑っていた。

由「翔ちゃん…大丈夫？」

渡「え、何が？」

由「だって今日ずっと起きてるし…」

渡「俺が起きてたらなんで心配されるんだよ。笑」

由「だって珍しすぎて」

渡「起こす手間が省けてありがたいだろ？」

由「まぁそうだけど」

由香が怪訝そうに俺の変化に突っ込んでくる。

こいつは昔から勘が鋭いので平然を装うのに必死だった。

チラッとセンセーを見ると、相変わらず授業とは関係ない質問にも笑顔で対応しつつ、サラリとかわして生徒たちとリラックスしながら話していた。

帰りの挨拶をして順次教室から出て行く。

この後、ダッシュで帰ってバイトに行かないと。

バイト先に今日もセンセーは来るだろうか。

来て欲しい…

あの場所は唯一2人きりになれる場所であり、俺の秘密を共有している時間だから。

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相変わらず暇すぎて最高のバイト先。

あまりに人が来ないので、店長と2人でこの時間まわせてしまうというのが凄すぎる。

しかも店長は裏で寝ていてほとんど店には出ないので、実質1人みたいなもんだった。

18時半頃、ソワソワし始める。

昨日も一昨日もこれくらいの時間にセンセーが来ていたから。

程なくして自動ドアが開き、センセーが店内に入ってきた。

心の中でガッツポーズをしながらも「いらっしゃいませー」とあたかも興味なさ気に挨拶をする。

「お願いします」

センセーは今日もお弁当を買っている。

渡「480円です」

何か話したいのに、いざ目の前にすると気の利いた言葉が浮かばない。

「渡辺くんて人気者なんだね」

突然そんなことを言われて面食らう。

渡「なんで？」

「今日友だちに囲まれてて、なんかキラキラしてたから」

ちょっと…急にそういうのズルいんだけど。

ニヤけそうな口元を隠すのに必死だった。