３週間【青】 (ページ13)

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先程までの弾んだ気持ちが一変し、落ち込んだ気分のまま家までの道を歩く。

情け無いことに、こんな時でもお腹は空く。

いつものようにコンビニに入り、買い物をしてると視線を感じた。

そちらを見ればレジの渡辺くんがギョッとした顔でこちらを見ていた。

あ。

ノート事件で渡辺くんがここで働いてることをすっかり忘れて、いつもの癖で普通にコンビニに入ってしまった。

…ていうか渡辺くん、今日もバイトなの？

手にした商品を再び戻す訳にもいかず、仕方なくレジへ向かう。

今日は…というか今日もこのコンビニにはほとんど人がいない。

なのでレジへ向かい真っ先に、

「渡辺くん、もしかして…毎日バイトしてるの？」

シンプルに疑問をぶつけた。

渡「まぁ、ほぼ毎日です」

「そうなんだ…」

そんなに働かなきゃいけない理由があるのか何なのか

渡「センセーこそ、毎日弁当？」

そう言ってちょっと笑ってる。

「いや、この期間だけね？普段は自炊することもあるんだよ？！」

渡「うはっ！必死！笑」

そう言って渡辺くんが手を叩いて笑ってる。

自分でも必死に弁明してる感が急に恥ずかしくなった。

…あれ？そんなことより…

「笑ってる…」

渡「え？なんで？俺どんなイメージなの。笑」

「いや、なんか勝手に笑わないクールキャラかと」

渡「…あとは、いつも寝てて？」

「うん」

渡「帰宅部で」

「…うん」

渡「私より肌が綺麗で？」

「…ちょ…ちょっと待って？！なんでそれを？」

渡「うははは！」

そう言ってまた豪快に笑ったかと思えば、

渡「はい、コレ。センセーのでしょ？」

「！！えっ！なんで…渡辺くんが？！」

私が先程探し回った生徒ノートを、なぜか目の前の渡辺くんが手にして、左右に振って見せた。

しかも、今渡辺くんから出た彼のイメージは全て私がノートに書いていたこと。

渡「堂々と教卓の上に忘れてたの。見つけたのが俺で良かったね」

いや…全然良くないんだけど…

「…中、見た？」

渡「全部じゃないけどね。俺の名前見つけたからそこは見たよ」

…うわ、最悪だ。

渡「つか、肌キレイ情報いる？笑」

そう言われてしまうと言い返せない。

「でも…本当キレイだったから」

結局謎の言い訳しかできなかった。

渡「…じゃあこれは何？」

そう言って“何か秘めてる…？’‘と書かれた部分を指差しながら、じっと私を見つめて尋ねてきた。