#33 ページ33
「渡辺くんが助けてくれて本当に良かった」
渡「…あーゆーのよくあんの？」
「ううん、初めて」
渡「マジか…」
渡辺くんは返答に困るかのように、なんだか気まずそう。
そんな顔させるのは申し訳なさすぎて。
「だけどさ、今日初めて久美と話せて良かったよね！」
きっとここへ呼び出された理由であろう話題に、自分から話を振る。
渡「え？…あ、あぁ、うん。だね」
「そう思えば、今朝の出来事も悪くなかったのかも、笑」
痴漢にあった私を助けてくれた渡辺くん。
そんな彼を見直した久美。
それがきっかけで2人の会話も生まれたんだから。
渡「…引きつってるけど」
「え？」
渡「かお」
「…」
渡「泣くほど怖かったくせに、そんな事言うなよ」
無理に笑って見せたけど、目の前の渡辺くんはちっとも笑っていなかった。
確かにあんな怖い思いは、できればしたくなかった。
もちろん今後も。
泣くほどって…
見てないようで、私の涙にも気付いていたんだね。
そう思ったらまた涙が出そうになった。
・
・
・
その時、昼休みを告げる予鈴が鳴る。
もうそんな時間か…
渡辺くんといると時間があっという間だ。
…ていうか、
渡辺くんに呼び出された理由をちゃんと聞く前に、昼休みが終わってしまった。
渡「まぁでも、さっきよりは元気そうで良かった」
私の心配を掻き消すように、渡辺くんがそんな事を言って優しい顔で私を見る。
「え？」
渡「さっき教室の前で会った時、（人1）さん全然喋んないし下ばっか向いてたから朝の事引きずってんだろうなーって」
それももちろんあるけど、1番の理由は久美と渡辺くんが話す様子を上手く直視できなかったから。
「元気だよ…」
渡「表情と言葉が伴ってないのよ、笑」
困ったようにそう笑って、私の頭をポンと撫でる。
渡「集合かけたのは（人1）さんの様子が気になったから。…よし、行くか」
…どうしよう、、、
嬉しい…
嬉しくて、勘違いしちゃいそうだよ渡辺くん。
耳まで赤くして、彼はわざわざ私のその後の様子を気にかけてくれた。
「渡辺くん、ありがとう。さっきからずっと優しすぎて…ちょっと今私、意味わかんない」
照れ隠しのように屋上扉まで足速に向かう渡辺くんの背中に、思わずそう声を掛けた。
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R(プロフ) - なおさん» 何度も読んで頂き嬉しいです🥺こちらこそありがとうございます！ (8月17日 22時) (
レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 初めまして！このしょっぴーと主人公ちゃんが大好きですー💕実は何度も読み返していて😊今日もきゅんきゅんさせて頂きました♥️ありがとうございます！続きもまた読みます💙 (8月17日 16時) (レス) @page50 id: 61924ce533 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - みみみさん» 嬉しすぎます！ありがとうございます🥺✨ (2023年4月5日 20時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 素敵すぎです！あー、しょっぴーに惚れてしまった♡ (2023年4月5日 13時) (レス) @page50 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - ピカンチ★さん» この作品を見つけて下さりありがとうございます🥺💙ハニレモ良いですね☺️🍋お時間がある際に良かったら番外編も覗いて下さると嬉しいです🥺💙 (2022年6月25日 19時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：R
| 作成日時：2022年5月22日 14時
