＊ ページ46
渡「だから、ここなら少し2人きりなれるかなって」
渡辺くんがきゅっと私の手をにぎる。
ドキドキしたし、嬉しかった。とっても。
「うん…」
週に1回は会っていたけど、特にスキンシップはなく渡辺くんはちゃんと真面目に勉強していた。
先程抱きしめられた感触や、今の手の温もりが何だか久しぶりに感じる。
渡「なんか久しぶりだな…」
「え？」
渡「センセーに触るの」
「…っ、…渡辺くん、いつも真面目に勉強してるもんね」
渡「…ちょっと、何それ」
「…なに？」
渡「それって触って欲しいみたいな言い方じゃん」
「いや、…違う。…んー、違わない…？どうだろ…？」
どちらの答えも当てはまるので複雑。
最終的には謎に渡辺くんに回答を委ねてしまった。
渡「…俺に聞くなし…」
渡辺くんは、はぁー…とため息をついて頭を抱えてしまった。
「あんまりここにいたら、なかなか出てこないって不審がられちゃうね」
そろそろ行かなきゃと立ち上がろうとする手を、グンっと引かれる。
渡「短…。体感30秒くらいなんだけど」
そう言って私の後頭部に手を回し、口付けた。
「っ！！」
渡「まぁ…俺もぬりかべに戻んないとだからな」
そのまま去ってしまうかと思いきや、「行くよ」といって私の手を取って立たせる。
「…戻らなくていいの？」
渡「怖いんでしょ？」
「うん…」
渡「俺も一緒に行くから」
そして手を引いてどんどん歩き出す。
優しい渡辺くんにまたキュンとした。
お化け屋敷は侮れないレベルで怖かった。
突然足首を掴まれたり、途中で水鉄砲をかけられたりする度に私が叫ぶと、渡辺くんは必死に声を殺して笑っていた。
そして出口前の扉で繋いだ手が解かれる。
「ありがとう」
渡辺くんのおかげで安心できた。
渡「どういたしまして。この後少し回ったりするの？」
「うん。照と一緒にC組にも行ってみるよ」
渡「…そか、あいつもいるのか」
「渡辺くんも今日一日頑張ってね」
渡「うぃ。じゃね！」
そう言って手を振り、渡辺くんは先程の備品置き場へと足早に戻って行った。
出口を出ると、阿部くんと井沢さんに「先生遅くなかったですか？！怖くて出れないのかと思いましたよ！」と心配された。
「あ、ごめんね。大丈夫！でも怖かったー」
そんな風に誤魔化したけど、宮舘くんは全てお見通しかのように意味深な微笑みで私を見ていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1591人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
R(プロフ) - はるかさん» 一気読みだなんて嬉しいです、ありがとうございます🥺�△寮睫席犬魏爾泙妊好�ロールして頂くと実はパスワードが記載されています＾＾もし良かったら引き続き読んで頂けると嬉しいです☺️ (9月1日 17時) (
レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 一気読みしてしまうほど引き込まれるストーリーでワクワクしました。�△砲魯僖好錙璽匹�必要で読めないんですね…（泣） (9月1日 12時) (レス) id: 7ea5ff59dd (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - またまた一気に読んでしまいました!本当にᎡさんのストーリーには毎回引き込まれてしまって、毎日読んでます。 (8月4日 7時) (レス) @page50 id: 4a86c3b00e (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - Daigo0211さん» 本当ですか🥺嬉しいです！ありがとうございます☺️✨ (7月16日 7時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
Daigo0211(プロフ) - いつもドキドキしながら読ませて頂いてます💙Rさんのお話好きすぎてどんどん制覇して行ってます😳 (7月14日 0時) (レス) id: 2f0ef62747 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：R
| 作成日時：2021年10月28日 16時
