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02.このチョコレートは、きっと君に似合わない ページ8

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「…はぁ…っ、」






不意打ちにしては長かったそれに

北山は唇を話した途端、大きく息を吸った。



そして、何かを思い出したように目を見開き、

また目を伏せた。









「…チョコ、」


「ん?」


「チョコ…買ったんだよ」


「ちょこ…?っあ、」









そうだ。

…今日はバレンタインだった








「藤ヶ谷が食べたいって言ってたのとか、藤ヶ谷が好きそうな味とかに合うやつ…

俺なりに一生懸命調べてさ、買ったんだ」


「うそ…」







正直、忙しかったから

期待はしていなかったのに…









「…ほら、これ……」


「うわっ…」







かばんの中から出てきた箱には

某有名店のロゴが入っていて。

しかも、おしゃれにラッピングされていた









「…でもこれ渡していいかもわかんなくて…」


「欲しい、北山が俺のために一生懸命調べて買ってくれたそのチョコ…欲しいな」


「…んじゃあ、あげる……ほら、」









ほら、と言いながらプイっと顔を逸らした北山の

赤い頬を持って俺の方に向かせる









「ありがとう、大好きだよ」


「っ、おれも…っ」








そしてまた、俺たちは唇を合わせた。









その後で北山は、チョコの入った箱を指し、

「それはお前には似合わない」なんて言ってきた。







「え?」


「おまえにはっ!…もっとかっこよくて高級なチョコのほうが似合う……よ、」


「いーの、俺は北山が一生懸命調べて買ってくれたこれがいいんだもん」









俺が言うと北山は「バカじゃね、」なんて

顔を真っ赤にして悪態をついたけど、


もっと言えば、

北山の気持ちがこもってるなら

板チョコでも何でもいいと思ってるんだけど…






今そんなこと言ったら

照れて帰っちゃいそうだから、

これはまだ言わなくておくね。









なんて思いながら、今俺が大事に抱えているのは

世界で一番 俺にお似合いのチョコレート。








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茉莉花(プロフ) - しおぱまさん» ありがとうございます!読者様に楽しんでいただけるような作品を目指していくのでこれからもよろしくお願いします^^ (2017年2月15日 0時) (レス) id: 1e53697028 (このIDを非表示/違反報告)
しおぱま(プロフ) - 今回は短編集ということで、茉莉花さんの書く様々な藤北が見られそうで嬉しいです、!更新大変だと思いますが頑張ってください! (2017年2月13日 16時) (レス) id: 21c0d8b98c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茉莉花 | 作成日時:2017年2月13日 0時

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