ヘタレくん . (ページ21)

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帰ってすぐ机に向かうけど勉強する気分にもなれず、ベッドに倒れ込む。

としみつが私を好き、か。中学生の頃に唯一付き合った人は好きなのかよく分からないまま告白を受けて、相手を不安にさせて別れた。

もちろんとしみつのことは友達として好きだけど、異性としてどうなのかって聞かれたらよく分からない。そもそも好きってなんなんだろ、。

突然ゴンゴンと窓を叩く音が聞こえた。驚きつつも窓の方を見ると柴田が立っていた。

『窓から入ってこないでって何回言えばわかるの？笑』

柴「いいじゃーん、とりあえず開けて」

『はいはい』

いくら渡れる距離だとしても危ないから窓からは本当に入ってこないで欲しい。

『勉強しに来たの？』

柴「うん、Aはしない感じ？」

『なんか気分じゃなくて、』

柴「 …そっか」

何も聞いてこないあたりが柴田らしい。私に背を向けて勉強を始めた柴田に言った。

『柴田って好きな人いる？』

柴「えっ、急だね」

『だって柴田彼女できたことないでしょ、』

柴田は中学の頃も彼女は居なかったし、恋愛に興味が無いのかなんて思ってた。私は彼氏が居たには居たけど、その場のノリみたいなので付き合って結局すぐ別れた。

柴「 …いるよ、好きな人」

当然居ないの一択だと思ってた。帰ってきた言葉は真反対で思考停止する。

『そ、うなんだ。』

『 …好きってどんな感じ？』

柴「うーん、その人と一緒に居ると落ち着く感じ」

最もらしいことを言われて曖昧な返事を漏らす。

柴「何？好きな人できた？」

『 …、うん』

何故か、意地を張った。

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