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｢さ、皆揃ったし食事の準備もバッチリだね｣
先程からずっと座っていた隼さんが立ち上がった。
｢夜の作った飯ほど美味いものはねぇからなぁー｣
｢それ、陽にぃママに言ってもいい？｣
｢待て。俺の帰る家がなくなるからやめろ｣
｢あははは…｣
隣に腰掛けた夜さんが苦笑いする。
｢それじゃあ今宵のパーティーを祝して…涙、｣
｢うん。かんぱーい｣
｢｢かんぱーい！｣｣
涙くんの合図が思いの外楽しそうで私たちもグラスを片手に乾杯した。
｢涙、食べたいのあったら取るよ？｣
｢ありがとう、いっくん｣
｢好き嫌いするなよー｣
今日初めてメンバー全員に会って一緒に食卓を囲んだ。
それなのに何だが家族のような暖かさを感じる。
｢A？｣
｢夜さん、皆さん良い人ばかりですね｣
｢そうだよね…俺みたいなのがアイドル続けられるのも皆のおかげ｣
照れくさそうに頬をかきながらそういう夜さんに陽にぃが小突いた。
｢しんみりしてないで食えよ、お前ら｣
｢だって家族みたいだな、って思って｣
私の言葉を聞いて隼さんはナイフとフォークを置いた。
｢そう、僕達は家族同然。もちろん皆の頼れるお父さんは海、僕は…のんびり帰りを待つお母さんかな｣
｢のんびり待たないでお前も仕事しろ｣
｢ははっ、海は手厳しいなぁ？｣
こんなやり取りも見慣れている気がする。
｢じゃあ今日のメインを始めようか｣
と、隼さんが夢をパチンと鳴らすとパッと電気が消えた。
慌てるまもなく点いた明かりに照らされて置いてあったのは
｢ケーキ？｣
｢いつの間に…｣
｢僕らから2人にプレゼントだよ。入刀としようか｣
皆からの視線を受けて私と夜さんは立ち上がった。
｢少し早いけど…結婚式みたいだね｣
｢ですね…そう遠くはないと私は思いますけどね｣
冗談めかして言うと涙くんが呟いた。
｢今日を結婚式にしちゃダメなの？｣
｢る、涙!?そんな急に結婚式なんて…｣
｢いいんじゃないかな。僕が相席している時点で普通のお祝いじゃないんだしさ♪｣
｢とうとう開き直りやがった…｣
｢ふふっ…それでは新郎新婦によるケーキ入刀〜｣
｢A｣｢夜さん｣
顔を見合わせて微笑んだ。
そしてケーキを切り分けた。
｢キース、キース♪｣
｢おい、隼！｣
｢隼さん、あまり無茶ぶりしないでください｣
さすがに恥ずかしいので私も抗議。
ね、夜さん？と言いかけた私の口は夜さんに塞がれた。
｢…今日から俺のAなのでよろしくお願いしますね｣
続く (更新停止中)
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作者名：塩キャラメル（□‐□）なのだよ | 作成日時：2016年9月1日 22時
