第2章 握手会からの始まり ページ14
なんだかんだで週末。
握手会なんて初めてで人の波に殺されるかと思った。
「次の方どうぞー!」
「はい」
スタッフさんも笑顔が絶えなくて凄いな。
変なところに感心した。
そして、中にいたのは白髪で高身長の目を奪われるような風貌の男性。
「君は初めましてだよね。知ってると思うけど僕は霜月隼。よろしくね」
「こちらこそよろしくお願いします」
差し出された手を握り返す。
よし、握手した、帰ろう。
即座に踵を返そうとすると腕を掴まれた。
ひんやりとした感触が服越しに伝わりびっくりして立ち止まる。
「おや、もしかして君が日波Aちゃんかい?」
「そう、ですけど…」
なんでわかったのか聞きたい。
そうでもしなきゃ怪しい人って印象になる。
「陽と夜が話していたよ。手を出すなって」
「あの」
「何でわかったのか?と聞きたいんだね?」
驚きすぎて言葉も出ない。
頷くとニコッと笑った。
「何たって僕は魔王様だからね。
君は王子が探している美しい姫なんだよ。
僕、魔王様に連れ去られる姫。
助けに来る王子はまだわからないのかい?」
「それどういう…」
そろそろ時間切れだ、と渡されたメモ。
「夜の電話番号とついでに僕のも…っと僕はあまり使わないのだけどね」
「は、はぁ…」
「君がはやく王子に会えるのを楽しみにしているよ」
何だか隼さんの言葉は私の心に強く余韻を残した。
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作者名:塩キャラメル(□‐□)なのだよ | 作成日時:2016年9月1日 22時