【HQ】可愛すぎ 〜その顔、他の男に見せんなよ〜

縁下 力 ページ42

｢縁下ー｣

｢A、何？｣

｢汚部屋？ここ｣


そう言って私が指差したのは部室。
いつもは綺麗…まぁ、綺麗か、そのはずなんだけど。


｢部室で何したの…｣

｢西谷と田中が、｣

｢よし、理由が何だろうと説教だね｣


大地さーん、早く部活来てー。
大地さんは委員会、菅原さんは日直、東峰さんは何か烏養監督に呼ばれてたしなぁ。


｢…片付けるか｣

｢うん、片付けよう｣


全く…潔子さんに平手打ちされる刑だぞ。
…これだと逆に喜ぶか。


｢ねぇ、えんのsいだｯ｣

｢え、ちょっとA…！？｣


開いてたロッカーに頭ぶつけた。
そして近くにあった椅子に膝ぶつけた。
転けそうだったから縁下掴んだ。
…倒れた。←


｢あー…ごめんなさい｣

｢あ、いえ、こちらこそごめんなさい｣


何故かお互いそのまま無言…。
そして何故敬語。


｢どうしよう｣

｢まぁ…このままでも、いいけど…｣

｢…そういう事言わないで｣


そう言うと私の視界は縁下の手によって遮られた。
するとほぼ同時に唇に暖かな感触。


｢ごめん、退く｣

｢やだ｣

｢無防備すぎる、ダメ｣

｢好きだから良い｣

｢…後で覚悟しといてよ｣


その時の縁下の顔と言ったらもう忘れられない。
私は重々覚悟をして頷いた。

影山 飛雄→←田中 龍之介

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