【 HQ】Happy Birthday. My honey.← (ページ10)

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あと2日！？ページ10

翌日、俺は病院に行った。
自分の体調不良ではなく、Aのお見舞いに。
今朝起きたら及川さんから連絡が来ていてその内容に俺は飛び起きた。

及川☆:柊ちゃん、目は覚ましてないけど意識は戻ったって！面会、行ってみたら？

今日が学校だということも忘れ、母さんに病院に行く、と言った。

｢学校は…って、いっか！Aちゃんの方が大事よね。泊まってきてもいいわよ。Aちゃんが目を覚ました時に一番に会えるといいわね｣

と、笑顔で見送ってくれた。
学校には体調が戻らない、とか適当に言っておくらから、という言葉を背中に俺は病院に駆け出した。
Aが居れば…俺はもうどうなったっていい。
だから、目覚ませよ。

｢ﾊｧ…あの…柊Aの…病室は…｣

｢Aちゃんのお友達？…その、面会は出来るけどら気を確かにね…病室は819号室。8階よ｣

｢…あ、ありがとう、ございます…｣

8階って…。
病室の決め方は大体が…上に上がれば上がる程…危険な状態の患者。
ここは最上階か10階…。
俺は早まる鼓動を抑えながらエレベーターに乗った。

1階…2階…3階…4階…とどの階でも止まることなく、エレベーターは上がっていく。
エレベーター特有の気持ちの悪い浮遊感。感じた後、ｶﾞｰｯという音と共に病院独特の消毒液のような匂いがした。

819…人気のない廊下、白い綺麗な廊下を見ていると孤独に感じ、俺は足早に病室に向かった。

819号室〔柊 A様〕
その文字を見てドクン、と鼓動が鳴る。

｢A…｣

ベットに横たわっていたのは服から見える腕も首も…ほぼ全身が包帯が巻かれているAの姿だった。

｢…A、痛かったよな。怖かったよな…。あと少し頑張れば、また…俺の隣で笑ってくれるよな｣

気付かないうちに俺の目からはとめどなく涙が流れていた。

｢A…ｯ！…うあぁ…ｯ｣

涙が枯れるくらい泣いただろう。
気付けばもう夕方を過ぎていた。
近くの椅子に座り、ベットに顔を突っ伏すようにして俺は瞼を閉じた。