▼特攻隊長と煽動的な愛を ページ7
sha_side
朝方、飯の時間の少し前。
オレは恐々とした姿勢で剣を握りながら、目の前の木偶の坊をメッタメタにしていた。
カァンと木と鉄のぶつかる小気味の良い音が鳴る。
その響きに触発されたかのように、右手に握っていた剣を放り投げてしまう。
「この状況で集中しろってのがムリな話だろ……」
アイツが誰かを選ぶまで後1日しかないのだ。
嫌われてはいない筈だ、それは確信を持って言えるのだが選ばれるのかと言えば話は別である。
どう考えても相手が悪すぎるんや。
元々女受けの良い大先生やコネシマに、話題が合うのであろうエーミールやグルッペンまで勢揃いだ。
『おはようございます、シャオロン様』
「……絶対言われへんけどオレのあだ名はアレやぞ」
『…？あだ名があるんですか？』
「おう、不に……A！？」
訪れた違和感に体を捩れば、すぐ後ろに今まさに悩んでいた要因が何食わぬ顔で立っていた。
……まさか背後取られたんも気づかんとか戦場だったら死んどったな、マジで。
Aはキョトーンとした顔でオレを見つめているが、こんな朝早くに一体何の用だと言うのか。
「どうしたん。飯にはまだ早いやろ」
『お外で訓練なされているのを見かけたので……』
少し照れたように見えたのは好意故の欲目だろう。
2人きりなんてまたと無いチャンスだと思う気持ちと、2日後の事への不安感がせめぎ合う。
どうにも落ち着かなくて、放った剣を意味もなく握り直したりする。
「……戻られへんの？」
『ご迷惑でしたか？』
「そういう意味ちゃうけども」
居たいならいれば？と全く素直じゃない言葉にそわそわした様子の彼女は嬉しそうに頷いてみせた。
Aは緊張したように何度か口を開いては閉じてを繰り返した後、意を決したように話し始める。
『シャオロン様』
「なんや」
『明日の事でご相談したい事があるのですが』
「は…？」
素っ頓狂な声が出た。
2日後という爆弾に加えて何故自分になのかという戸惑い、自慢じゃないがオレは全く相談向きじゃない。
此処で１つ、先ほどの照れた笑顔が勘違いで無くなるとある仮説を思い付いた。
「腹、もう決めたんやな？」
『はい、もう間近に迫っておりますので』
＿＿ほら当たった、コイツは物腰の割に芯が強い。
そう言えば初めて会った時さえ泣きもしなかったな。
既に腹を括った女に向かい合う事が、こんなに勇気いるなんて知らんかったわ。
「で、オレは誰との間を取り持ったらええねん」
ラッキー食べ物
すし
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宙(プロフ) - はぁ〜。面白かった！！(満足)欲を言えばゾムさん落ちが見たかった笑 (2020年9月7日 10時) (
レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - すずらんさん» こんにちは、コメントありがとうございます！そう言って頂けるのが一番の喜びですので、どうぞこれからも宜しくお願い致します。 (2020年2月12日 12時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん(プロフ) - コメント失礼致します。とても楽しんで読ませて頂いております、最高ですありがとうございます… これからも楽しみにしております、応援させて下さい！ (2020年2月10日 15時) (レス) id: 14859b81d2 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - スリジャワルダナプラコッテプリンさん» コメントありがとうございます！微力どころか皆様の応援が最大の力源となっております。ゆるりと進んでいきますのでお時間のある時に是非お付き合い頂けると幸いです。 (2020年2月9日 8時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 澪華さん» こんにちは、コメントありがとうございます。1人目から随分更新が空いてしまったのですがそう言って頂けて幸いです。これからもゆったり進みますので何卒よろしくお願い致します (2020年2月9日 8時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あん肝ポン酢丸 | 作成日時：2020年1月25日 15時
