▼今度こそは ページ45
syp_side
「寒くないっすか？」
『大丈夫ですよ』
隣をちょこちょこと着いて来たAさんは、既に庭を飾る植物に目を奪われている。
幸い顔色も良く、切傷も痕にならないようで安心した。
「……コネシマさん達は凄いですよね」
『？はい、とても』
「言いたかないけど、尊敬してるんです」
彼女は俺の唐突な話に水を差す事もなく静かに聞いてくれていた。
日常では絶対口にしたりしないがあの人達は本当に凄い、彼らに憧れて我々国の幹部を目指したと言っても過言じゃない。
「俺はあの場に行っただけで何もできひんかった」
『……』
だからこそ悔しかった、俺もとっくに彼女を好きになっていたから。
俺が現場に到着した時には先輩達が盗人を伸している最中で、自分が出来る事と言えば気絶してる奴らを拘束するくらいの事だった。
緊急時だった、不謹慎だとしても俺は自分の手でAさんを救いたかったのだと後から気づいた。
「次なんて有り得ませんけど、その時がもし来てしまうんなら今度こそ俺が助けます」
『ショッピ様……』
「だから……これからもAさんの傍に居させてください」
柄にもなく緊張して、涼しい季節なのに掌がじっとりと汗ばむのを感じる。
彼女は大きな目を瞬かせると、たちまちにその可愛い顔に朱を散らした。
『それは、その』
「はい、平たく言うとAさんが好きなのであわよくば結婚したいです」
『！！？』
あんまり恐縮しきった様子なものだから、さっきまでの雰囲気ぶち壊しで戯ければAさんは分かりやすく驚愕の色を示した。
何事だと言わんばかりに形の良い唇をパクパクさせた彼女の肩を抱き寄せて、そのまま空いた手を腰に腕を回す。
「このまま応えてくれますか？」
『今ここではちょっと……』
「まぁ、ですよね」
流石に今すぐ俺の想いに応えてくれるなんて思ってない、勿論応えてくれたら即婚約書を書くけど。
でも、と恥ずかしがりながらも俺の目を見て話そうとするAさんは本当に可愛い。
『必ず答えは出しますから、少しお時間を下さいませ』
「わかりました、期待して待ってます」
『え……あっ』
「ふは、冗談に決まってますやん」
彼女が腕の中から逃げない事をいい事に、俺は彼女の色づいた頬、唇の端すれすれの所にキスをする。
額まで赤を伝染させたAさんは、顔を俯かせてしまった。
さっきまで煙草を吸っていたせいか、いつにも増して彼女から香る石鹸の匂いを強く感じた。
ラッキーゲーム
hoi
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奥山乃愛(プロフ) - niさんやsnさんにも愛されたいです（恋愛的に）無理せずに頑張ってくださいね！ (2022年11月2日 16時) (
レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - モモさん» お祝いのコメント感謝申し上げます。途中更新期間が空いてしまい申し訳ありませんでした。ご期待に添えたものであれば幸いです、これからも是非にお付き合いくださいませ。 (2019年11月30日 23時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - 続編おめでとうございます。リクエストの小説も楽しく読ませて頂きました。ありがとうございますm(_ _)m相変わらず言葉の言い回しが美しく素晴らしい作品だなぁと改めて思いました。冬は何かと忙しい時期になると思いますが、無理をしない程度に頑張って下さい(*^^*) (2019年11月28日 12時) (レス) id: 9f311d580c (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 猫夢さん» こんばんは、好きの一言が何より嬉しいので無問題です…。ありがとうございます。 (2019年11月24日 19時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
猫夢(プロフ) - 語彙力がないけど言いたいので失礼致します。好きです... (2019年11月21日 13時) (レス) id: e485f856c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あん肝ポン酢丸 | 作成日時：2019年9月22日 15時
