35話 ページ35
別に喧嘩じゃない。
相手も、自分も本気で言い合ってる訳でもないのは、周りから見ても分かりきってること。
このやり取りが面白くて、続けている。ただそれだけ。
その証拠に君は笑顔を浮かべているし、私だって口角が自然と上がっていた。
そうやって悪ふざけをしているうちに、晴、雅と段々と片付けを始めていく。
次に麻奈ちゃんが立ち上がり、私が二つ目のおにぎりを食べ始めるときには、既に三人はお昼を食べ終わってた。
まさか先に遊び始めたりはしないだろう、と思いながらおにぎりに口をつける。
「じゃあ俺達先に遊んでくるから」
「は、えっ?本気で言ってる??」
私の問いに答えず、雅は麻奈ちゃんを誘うと二人で遠くの方へと走っていく。
段々と小さくなる麻奈ちゃん達の背に何回か叫んだが、全く振り向く気配はなくそのまま姿は見えなくなってしまった。
……麻奈ちゃんと雅、二人?
焦るように振り返ると呑気にいるはすを飲む晴の姿があり、鼓動が速くなる。
二人きりになる、そう分かっていてもドキドキするのに、突然二人きりになるのはもっと心臓に悪い。
「さては、お前が二人で遊んでこいって言ったな」
ドキドキしていることを悟られないように、少しおちょくるような声で言う。
晴は「その通り」と自慢げに笑って、言葉を続ける。
「俺、かなりナイスなことしたんじゃないかなー」
そりゃあナイスだと思う。
ナイスだと思うけど、私にとってはナイスじゃない。
予告も無しに二人きりはちょっと無理。
というか、今日だけでどれだけ二人きりになればいいんだ。
一回で充分すぎるくらい堪能したのに。
そこまで黙々と考えて、二人きりと連呼しすぎたせいなのか、ドンドン心臓の音が大きくなっていくような、そんな感覚に陥る。
駄目だ。この状況を理解しようとしたら駄目だ。
麻奈ちゃんと雅のことを考えよう、そう思い考えを巡らせていたとき。
「あ」
「どうした?」
「えっ?あ、いや何でもない!」
少し、嫌な考えが浮かんでしまった。
思わず声を漏らしてしまうほどの。
……麻奈ちゃんは私と晴を一緒にさせようとして、雅に着いていったのではないか。
そう考えると観覧車で雅の隣に乗り込んだ理由も分かるし、動物園で二人きりにさせられてLIMEの雨が降ってこなかった訳も分かる。
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フルーツちょこ(プロフ) - コノハ【心葉】さん» ありがとうございます。本日全話修正をして誤字脱字や、文章の訂正をしましたので、もう一度読んでくださると嬉しいです。 (2018年11月30日 19時) (
レス) id: fddb009284 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ【心葉】 - 楽しみです！ (2018年11月30日 18時) (レス) id: 17d56b6dae (このIDを非表示/違反報告)
フルーツちょこ(プロフ) - 水瀬さん» 楽しみと言っていただけてありがとうございます。私も更新頑張りますので、これからの物語もどうぞお楽しみに下さい。 (2018年10月23日 15時) (レス) id: fddb009284 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬(プロフ) - お話とても面白いです！続きもすごく楽しみになりました！更新頑張ってくださいね！ (2018年10月20日 16時) (レス) id: db4b643399 (このIDを非表示/違反報告)
フルーツちょこ(プロフ) - 抹茶モナカさん» 応援のメッセージありがとうございます。最近学業が忙しいため、更新をあまり出来ていませんが、近いうちにもう一話更新したいと思います。コメントありがとうございました。 (2018年10月12日 15時) (レス) id: fddb009284 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みくるみちょこ | 作成日時：2018年6月3日 20時
