ヒロイン案内人【NINO】 (ページ3)

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二宮くんが入ってきてから約3分。

図書室は真っ黄色に染まりつつある。

注意か何かしないといけないはずの図書委員もまさかの二宮くんファンであり、

この声を注意する人は誰もいなくて。

さっきから鬱陶しすぎる声が響いている。

「和也くんの生徒手帳が無くなったなんて大変！」

「探してあげるからっ、私が！」

「私が見つけるからね！」

およそ10人、二宮くんを取り巻いてる。

探すなら違う場所探したほうが効率は良いのに、よっぽど彼の方程式に入り込みたいみたいだ。

そして黙ってソレを探す二宮くんも二宮くんだ。

ん？待てよ、ソレって何だ？

生徒手帳…

せいとてちょう…

セイトテチョウ…？

確か、ちょっと前にそんなものを悪魔から受け取ったような。

私の生徒手帳の横に入っている黒い手帳を取り出す。

恐る恐る、それを開いてみる。

…でも、さっき開いたときと結果は変わらないみたいだった。

二宮和也、と書かれたその上にはかずなり、と読みがなが書かれていて、

「かずなりくーん？生徒手帳ある？」

黄色ガールズが口にする言葉と一致した。

何より、どちらの彼も、子犬だった。