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『あはははっ、あはははっ!!!』
翠川「もぉ〜!笑い事じゃないよ〜!」
『うわっ、隼人からの鬼電やば!』
なんて、出るわけなくてポケットに閉まってすいちゃんを昨日のたこ焼きの屋台に連れ込む。
『すいちゃん、なんか食べよ!!』
ポップコーンとたこ焼き、焼きそばを買って屋上へ。
案外人が少なくて、空いていたベンチに2人で腰かける。
『食べよ食べよ!!』
ガサゴソと袋の中からたこ焼きを取り出してすいちゃんに手渡し、私はポップコーンを手に取る。
翠川「ねぇおきちゃん」
たこ焼きを見つめながらすいちゃんが口を開いた。
『んー?』
翠川「おきちゃんはあんまりがっこーこないねぇ?なにか、びょーき〜…?」
ドキリ、とした。
ズキンと胸が痛くなって喉から言葉が出かかる。
『いやいや、そんなんじゃないよ〜!』
なるべく笑顔ですいちゃんの方を向いて私はポップコーンをすいちゃんの口の中へ放り込む。
『ほらほらもっとお食べー?』
翠川「美味しい〜」
『焼きそばもあるよー?』
翠川「食べるー!おきちゃんもたべてっ!』
『うわぁ…すいちゃんが食べさせてくれるから余計美味しい…!!!』
へへへって笑うすいちゃんを見て苦しくなる。
まぁいっか。って焼きそばを口に入れた途端、感じたことの無い気持ち悪さを覚えた。
『っ、』
翠川「……おきちゃん、?」
『……んー、ん、なんでもない!』
なんだろう。胃が食べ物を受け付けないみたいな、この気持ち悪さは。
もう一口食べようかなって思ったけど、焼きそばを見ただけで気持ち悪くなってしまって、それからはもう食べれなかった。
翠川「おきちゃ───────」
すいちゃんが何かを言いたげに私の顔を覗きこんだ時だった。
甲斐「……見つけた」
私達の後ろに隼人が立っていて、振り返ればびっくりするくらいの黒い笑み。
翠川「ひっ、」
盛大に頬を引き攣らせたすいちゃんに魔の手が伸びようとしていた。
翠川「ごめんなさいいいいいいいいいいい!!!」
甲斐「待てゴルァアアアアアアアア!!!!」
そんな叫び声が魁皇高校に響いたのはそれから数秒後だった。
『もー、ほんっと仲良いなぁ…』
諏訪「あんたのせいでしょ…」
なんて、唯月に呆れられたのは言うまでもなくて。
そして、私と隼人が別れるまで、残り数週間。
(__________学園祭2日目の、終わり)
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莉歌(プロフ) - 無音さんの作品とのコラボ最高でした!無音さんとラベンさんの小説どちらも大好きで、コラボって分かった瞬間テンション上がりました笑 (2019年3月19日 21時) (レス) id: cb9a87189e (このIDを非表示/違反報告)
ぺんちゃん(プロフ) - 好きです (2019年3月19日 13時) (レス) id: b91641893d (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 作者さん早速見させてもらいました最高です (2019年2月23日 10時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラベン | 作成日時:2019年2月22日 22時