____ ページ29
.
( 柊 side )
『大丈夫?』
痛みに必死に耐えていれば、そんな声が聞こえた。
来るの早いな。と思いつつ額に滲んだ脂汗を拭う。
柊「いつもの、ことだ」
『……あっそ、で?なんの用?』
柊「とりあえず部屋に戻れ。話はそれからだ」
頭上にハテナを浮かべながら自分の部屋に戻ったAを見送って女子トイレへのマイクをオンにする。
柊「はいざんねーーん!!!結城、今すぐにスマホを持って準備室に来い」
モニターの中の結城が顔を上げてカメラを探し始める。
それを見て、俺はそっと、眼鏡を遠ざけた。
.
.
.
そして、数分後。
笑顔で出て行った結城を見送り、Aが出て来るのを待つ。
『……で、どうするの?』
柊「そこにお前のスマホがある」
『ほう…』
みんなのスマホが入った袋を指刺せば何かを察したように頷いた。
『……あー、なるほどね』
柊「何も言わなくてもわかるのは流石だな」
ハイハイって何度も言って漁る彼女に、本題を突きつけた。
柊「それから、ここを出た時の話だが」
───────────全部忘れろ。
そう言えばAの手が止まった。
柊「お前は俺になんの協力もしてない。そう言え。五十嵐警部にもそう伝えてある。」
『……は?』
Aの手が震え出して、こっちを向いた。
柊「だからお前は───────」
思わず言い淀んでしまったのは、Aの目が、諏訪の時以上に冷たかったから。
『ねぇあんたなんか勘違いしてない?』
柊「……は?」
この時の俺はキョトン、を通り越したすっとぼけたような表情だったと思う。
『自分1人で今回の計画全て被るだなんて、そんな馬鹿なことさせないからね』
柊「お前はまだ未成年だ」
『未成年だろうがなんだろうか私も一緒に』
捕まる。そう言いかけた彼女に、俺は言う。
柊「じゃあ甲斐はどうなる」
『っ、』
甲斐を思い出しているのか言葉が止まった彼女に、もう一度言う。
これだけは、どうしても、これだけは。
柊「……もう、お前はこの件から手を引け」
.
1703人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「GENERATIONS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
?? ラベン(プロフ) - 世恋さん» ほんとだ!!!ありがとうございます!笑 (2019年2月22日 13時) (レス) id: eb4c247be4 (このIDを非表示/違反報告)
世恋(プロフ) - 遠くが見えないのは近視じゃないですか?違ったらすみません!更新頑張ってください! (2019年2月22日 12時) (レス) id: 2be61dc08d (このIDを非表示/違反報告)
海理 - お誕生日おめでとうございます (2019年2月20日 14時) (レス) id: f453f15264 (このIDを非表示/違反報告)
TWICE - お誕生日おめでとうございます!これから頑張ってください! (2019年2月19日 22時) (レス) id: 08f374a58a (このIDを非表示/違反報告)
れあてぃん。(プロフ) - お誕生日おめでとうございます!!うちのお兄ちゃんと同じ誕生日だったなんて笑 (2019年2月19日 19時) (レス) id: 2e97a00b85 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ラベン | 作成日時:2019年2月11日 20時