3年A組の、闇へようこそ 3幕

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水越“その動画、マイボイに投稿しておいて？”




そう言って立ち去ろうとした水越さんに結城さんが声をかけた。




結城“ほ、ほんとに、…いいのかな”

水越“今更何言ってるの？あんな写真撮っておいて？！……きっと、坪井は名乗り出ない。だからネットを使って追い詰める。それしか方法はないの！！！”




あんな写真ってなに？それしか方法は、本当にないの？

そんな疑問がグルグル回って頭まで回りそうだけど、先生は至って冷静にモニターと対峙してる。


先生は、全部知ってるんだよね？





水越“それに！！！あいつが犯人だって名乗り出なかったら、私達殺されるんだよ？！？”

結城“そう、だけど”

水越“……Aの盗撮よりも、そっちの方が話題になって、……フォロワーも増えるんじゃない？”

結城“っ、！！”




Aの盗撮、って？

その時思い出したのは、5日目の朝の出来事。


歯磨きしてたAがいきなり辺りを見渡して何かに怯えた表情をしてたこと。




“ 茅野｢どうしたの？｣

『んーん、なんでもない』 ”




また、気付けなかった。

友達なのに、友達になったはずなのに、私はまた澪奈と同じことを繰り返すんだろうか。

なのに、先生は黙ってモニターを見たまま動きもしない。




茅野｢……せん、せ？止めなくていいんですか？っていうか、早く止めてください！！！Aの盗撮ってなんですか？！先生知ってるんでしょ！早く！！｣

柊｢お前は声がでかい｣




そりゃ声も大きくなるでしょ！！って怒鳴りたいけど、グッと我慢する。

先生が行動しないのには何かしらの事情があるはず。




茅野｢……もしかして、坪井先生が、犯人なんですか？｣




先生が黙ってるのは、そういう理由なの？




茅野｢先生は一体、どこまで知ってるんですか？澪奈を死に追いやった犯人を、知ってるんですか？！｣

柊｢さっきから質問が多い。1つに絞ってくれないか？｣




面倒くさそうにそう言った先生に、ずっと頭の隅にあった問いかけをしてみようと心に決める？




茅野｢じゃ、ぁ……先生の目的は、犯人を捕まえることなんですか？｣




一番知りたかったこと。

だけど先生はこちらを見ようともせず、言い放った。






柊｢俺の目的は、────────その先だ｣





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