03：スメールシティの観光客 ページ7
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数年前の記憶、あのひと時を彼は覚えているだろうか。
「──起きろ」
「………朝…？」
「朝だ」
まるで長い夢でも見ていたような気分だ。肩を揺らされる感覚に瞼を開ければ、私の顔を覗き込むキャンディス──ではなく。
「セノさん！？」
「ああ」
「ど、どうしてここに…！？」
「スメールシティに連れて行くと約束しただろう」
それはそうなのだが……。まだ起きる時間でもないだろうし、第一何故セノさんが私の部屋に上がっているんだ。
「キャンディスが入っていいと言っていたからな」
キャンディスが許可したなら仕方ないと一瞬思ってしまって、夢現の意識を現実へ引き戻した。今から着替えるので外で待っていてください、という私の言葉に従って間もなく、セノさんは部屋を後にした。
( …びっくりした……。 )
いくら大マハマトラのセノさんとはいえ、起きていきなり真正面で目が合うと少々意識してしまった。
いつもより少し可愛らしい服を選んで、静かに家を出た。
┈┈┈┈┈
佇む大きな正門を前につい立ち竦んでしまう。そんな私に振り返り、「行くぞ」とセノさんが言うので、その背に付いて行った。
「まだ朝が早いし店があまり開いてないから、先に仕事を済ませてくる」
「はい、分かりました」
「ここで待っていてくれ」
少し入り込んだレストラン前のベンチにて、一旦セノさんと別れを告げた。それから周りの景色を眺める。
南の方では朝早くから船が行き交い、商人たちが今日の準備を始めている。北の方には聖樹が青々としており、向こうの方には建物が続いているようだった。
このシティの向こうや海の先には、きっとまだ見ぬ景色や、かつて住処としていた国が待っているのだろう。早朝から様々な船が港に着く様子は幼い頃の記憶を想起させる。
( ──………、)
かつての故郷。
「待たせて悪いな」
セノさんの声が聞こえたから、思考をやめてそちらへ振り返った。
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咲原(プロフ) - まるさん» 読んでくださり光栄です。。！ありがとうございます(˶' ᵕ ' ˶)！ (8月13日 12時) (
レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
まる - 最高でした！！お疲れ様です！ (8月13日 6時) (レス) @page48 id: 626fa9ab7b (このIDを非表示/違反報告)
咲原(プロフ) - あいうさん» ご覧頂きありがとうございます！元ゲームの雰囲気を壊さずに慎重に書いていましたのでそう言っていただき光栄です……！自分らしく執筆を頑張りますね！ (2023年2月21日 16時) (レス) id: 2d2082fe5f (このIDを非表示/違反報告)
あいう - セノの小説あまり無かったのでめっちゃ嬉しいです！話しも自然ですごいです。めっちゃ好きです。自分のペースで更新頑張って下さい！応援してます！！ (2023年2月20日 1時) (レス) id: 914ffe60d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲原 | 作成日時：2023年1月19日 12時
